目の前で起きたことを取材して、パソコンで打ってすぐに速報。ネット時代の今は、取材から記事になるまでがすごく速い。スピードが求められる時代だ。

そんな時代に、取材当日から362日目に、やっと記事が載った。しかも富山に1泊2日の出張をしながらだ。

パソコンで精算済みの伝票を検索すると、昨年の10月26日の午前中に東京駅を北陸新幹線で出発、昼すぎに富山に到着。名物のシラウオの天ぷらを食べた後に、井上真央(33)主演の映画「大(だい)コメ騒動」(本木克英監督、来年1月8日公開)のクランクインを取材した。取材と言うよりは“見学”に近かったのだが、スタッフ、関係者にあいさつをすませて、来るべく記事執筆の日に備えた。

夜は富山の日本海の珍味に舌鼓を打ち、お酒をたっぷり飲んで熟睡。翌日は、好物の鱒寿司を北陸新幹線の中で堪能しながら帰ってきた。

連ドラでも1クール3カ月、頑張っても2クールのテレビ界と違って、映画界のスパンは長い。会社に帰ってからデスクに「記事の掲載日はいつですか」と聞かれて「公開がずっと先で、情報解禁もまだ先だからその時に」と回答。途中、頭記事にすべく記事を書いたこともあったが“大人の事情”で差し戻しとなっていた。

ほぼ完成した映画の試写をしっかり見て、今月15日、主題歌「愛を米(こめ)て」(来年1月6日発売)を歌う米米CLUBのカールスモーキー石井(61)とリーダーのBON(60)にインタビューした。そして今月21日付にデカデカと記事が出た。昨年10月26日から、実に362日目。きわどいところで1年の大台に乗らなかった(笑い)。

これで出張費泥棒と言われることもなくなって、ホッとした。もう、思い残すことはない。あとは新型コロナウイルスがなくなって、また楽しい出張に行ける日が来ればいいと願うだけだ。