元乃木坂46で女優の深川麻衣(29)が来年1月29日公開の映画「おもいで写真」(熊沢尚人監督)で主演を務めることが27日、分かった。映画主演は18年2月公開の「パンとバスと2度目のハツコイ」以来2度目。

熊沢監督のオリジナルストーリーで、東京で夢に破れた女性が祖母の死をきっかけに帰郷。お年寄りと触れあうことで人生に希望を見いだす、心温まる人間ドラマだ。深川は東京でメーキャップの仕事をするも、うそが嫌いで頑固な性格からクビになった音更結子を演じる。

撮影は去年の初夏、物語の舞台でもある富山県で行った。「撮影の日々はとても刺激的で、苦しくもあり、あたたかくもあり、自分にとって何ものにも代え難い大切な時間になりました」と振り返った。

祖母の遺影がピンボケ写真だったことにショックを抱く中、役場で働く幼なじみの発案で遺影写真を撮る仕事を始める。反応は悪かったが、お年寄りと実際に触れあうことで、それぞれの思い出の場所で写真を撮る「おもいで写真」へと変わっていく。「写真を通して人と人とがつながり、結子が成長していく姿を感じていただけたらうれしいです」とアピールした。

フィルムカメラをいつも趣味で持ち歩いているというが、本格的にカメラを扱うのは今回が初めて。「プロのカメラマンさんに指導していただきながら、撮影に入る数週間前からカメラや三脚など一式貸していただいて、家や屋外で練習をしていました」という。撮影中はカメラのレンズ越しに、たくさんの笑顔を見た。「皆さんの楽しそうな表情を撮っていると、無意識に自分も笑顔になっていることがたくさんありました」と明かした。 

同作は所属する芸能事務所テンカラットの25周年企画映画でもある。同事務所の高良健吾(32)香里奈(36)井浦新(46)に加え、古谷一行(76)吉行和子(85)らの実力派が脇を固める。

幼なじみの星野一郎を演じる高良は「主人公が祖母の遺影を見て感じたことを、自分も祖父の葬式の時に感じました。これはどこにでもある問題なんだと。だとしたら、映画を通じて世の中に何かを投げかけられる」とコメント。また、「この映画があることによって、おもいでというものの価値観も変わるのではないでしょうか。正真正銘本当であるということがすべてなのか。ぜひ、楽しみにしていてください」と訴えた。

熊沢監督がオリジナルストーリーを書いたのは9年前までさかのぼる。その間「何度か映画化できそうになりましたがうまくいかず、推敲(すいこう)を重ねて粘り強く頑張ったところ、深川麻衣、高良健吾という魅力あふれる俳優と出会え、やっと映画になりました」。原作本は11月11日、同名小説として発売される。