米大統領選の結果を巡り、いまだ敗北を認めずに「不正があった」と法廷論争を続けるトランプ陣営が7日にペンシルベニア州フィラデルフィアで行った記者会見の会場を巡って、「最高のジョークだ」「死ぬまで笑いのネタになる」とネットが炎上している。

民主党のバイデン前副大統領の当選確実がメディアで報じられた直後に行われたトランプ大統領の弁護団による記者会見の場所となったのは、郊外にある小さな造園業者フォーシーズンズ・トータル・ランドスケーピングの駐車場で、しかも火葬場とアダルトショップに挟まれた敷地だった。 これに対し、多くのメディアが、トランプ陣営の誰かが高級ホテルのフォーシーズンズと間違えて会見場の予約をしたのではないかと推測している。

米メディアによると実際に、トランプ大統領は7日朝にゴルフに出かける前に「フィラデルフィアのフォーシーズンズで午前11時半から大きな記者会見をやる」とツイート。この時点で誰もがフォーシーズンズホテルが会場だと信じて疑わなかったが、その直後に同市のフォーシーズンズホテルが「うちのホテルでトランプ陣営の記者会見を行う予定はない」とツイートし、会場はフォーシーズンズ・トータル・ランドスケープですとつぶやいた。トランプ大統領はその後、最初のツイートを削除している。

火葬場とアダルトショップの横でトランプ大統領の顧問弁護士ルディ・ジュリアーニ氏ら側近が演壇を設置して「選挙は不正だ」と主張する姿は滑稽でしかなく、人気コメディー番組「サタデー・ナイト・ライブ」などを手掛ける脚本家で映画監督のザック・ボーンスタイン氏は「(このネタで)800年くらいジョークを書けるよ。でもフォーシーズンズホテルを予約したと思ったらアダルトショップと火葬場の間にある造園業者だったなんてネタは思いつかないね」と皮肉たっぷりにツイートしている。 

この騒動で突如全米の注目を集めた造園業者は「記者会見を開催できてとても光栄。(要望があれば)両陣営のために会場を提供する」とコメント。さっそく自社のサイトでトランプ大統領のスローガン「Make America Great Again(アメリカを再び偉大に)」をもじって「Make America Rake Again(アメリカ産の土をならすための道具を作ろう)」と書かれたグッズの販売を始めている。

また、多くの人が隣のアダルトショップに足を運んでそれをツイートしており、地元ではちょっとした観光名所となっているようだ。(ロサンゼルス=千歳香奈子)