「毎日ラーメン健康生活」を掲げる生活を送って丸5年。ラーメンユーチューバーとしてこのジャンルで随一の認知度を誇るのが、SUSURU(27)だ。

日々すすり続ける動画には、ラーメンへのリスペクトが詰まっている。

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動画は短く、5分前後。ラーメンをすする自撮り動画とともに、ナレーションでテンポよく味を伝えるスタイルが人気だ。関東近郊を中心に全国各地の店舗を食べ歩き、俳優柄本佑、吉沢亮らファンを公言するタレントも多い。

定番から変わり種まで、日々ラーメン動画を発信する。しょうゆ、塩、みそ以外にもつけ麺、まぜそばなど年々バリエーションは増えており、飽きることはなく「むしろ好きになってます。食べれば食べるほどハマるというか」。15年に開設したチャンネルは今月、5周年を迎えた。登録者数88万人の数字に「実感が湧かない」と苦笑する一方、老若男女から声を掛けられることには「僕がどうこうというより、ラーメンがすごいなって思います」と、国民食への敬意がにじむ。

無目的な生活に区切りを付けたいと大学を中退。もともと週に3、4回は有名店「ラーメン二郎」に通う筋金入りのラーメン好きだったが、それを知る先輩からYouTube開設を提案され「毎日ラーメン健康生活」が始まった。「『ラーメン』と『健康』っていう矛盾をはらんだタイトルにひかれて。人体実験じゃないですけど、そういうところにも興味があったんです」と振り返る。ラーメンを食べ続けるための体作りとし、2年前からジム通いも開始。3カ月で15キロ減量した。最新の健康診断はオールAで、文句なしの“健康”を実証。1日2店舗、地方遠征では日に5、6軒回ることもザラだが、食欲はさらに増しているといい「いいことずくめですね」と笑みを浮かべる。

チャンネルを運営する仲間と2年目に法人化し、「自分たちで部屋を借りた時の感動もあったし、同時に後戻りできない責任感が芽生えたのもこの頃かな」。家族には活動を知らせていなかったが、当時登録者数はすでに20~30万人おり「『それだけいるんだったら頑張りなさいよ』と応援してくれました。おばあちゃんはスマホにYouTubeのアプリを入れて、『毎日2回見てるから』みたいな」と、照れながらも後押しに感謝した。

コロナ禍では店に出向くことができず、自宅でお取り寄せラーメンなどを紹介。当初伸びていた再生数も次第に減り、ユーチューバーとして焦りを感じたという。「イベントの打ち合わせも全部なくなって、予定がゼロ。食えなくなるんじゃないかと、マジで怖くて」。同時に「視聴者の方はラーメン屋さんで僕がおいしく食べている動画を求めているんだと。あらためて、ラーメン屋さんありきのチャンネルなんだと実感した時期でした」と店への思いも口にした。

登録者数100万人も視野に入るが、基本は変えない。「毎日動画を発信することはぶれずに続けていきたいです。自分にしかできないことで、ラーメン業界を盛り上げられたらいいな」。

外出自粛明けに店で食べたラーメンの感想を聞くと「感動がすごかったです。脳が開いた感じ」とうれしそうに笑う。この仕事は天職だろう。【遠藤尚子】

 

◆SUSURU(すする)1993年(平5)1月12日、青森県生まれ。本名非公表。明大中退後の15年、仲間とYouTubeチャンネル「SUSURU TV.」を開設。サブチャンネル「SUSURUのミッドナイトTV.」は登録者数16・2万人。名前がアルファベットの理由について「無駄に意識高く(笑い)、海外の人も見られるからと仲間で決めました」。特技はドラム。169センチ、血液型B。