乃木坂46の4期生が6日、配信ライブ「乃木坂46 4期生ライブ 2020」を開催した。今年2月に新4期生5人を加え、16人体制となって初の4期生単独ライブだった。

16人は18年8月の「坂道合同オーディション」に合格。11人は同年11月に4期生として加入したが、5人は配属には至らず、坂道研修生としての活動を経て、今年2月に新4期生として加入した。「同期」といえど、乃木坂46での活動歴は1年以上違う。11人の中には既にシングル表題曲の選抜やセンターを経験したメンバーもおり、キャリアの差は歴然だった。

当然、新4期生5人が加入した当初は、11人の間とも溝があったという。今年2月のライブで、5人がステージ上であいさつしたが、舞台裏では緊張や不安で泣いてしまったメンバーもいた。特定のメンバー間では、オーディションの頃から仲が良かった関係性もあったようだが、基本的にはお互い「はじめまして」状態。「ほとんど話したことがないです」というのが、実際のところだった。

しかも、3月からはコロナ禍で、直接コミュニケーションをとるのも難しい時間が続いた。「早く仲良くなりたいのに、一緒に話す機会もほとんどない状態」だったという。それでも、緊急事態宣言解除後の6月からは、日本テレビ系「ノギザカスキッツ」の収録や、ABEMAで配信された「乃木坂46時間TV」など、少しずつではあるが新4期生が参加する仕事も増えてきた。

そして、初の4期生ライブ。配信前に行われる影アナ(中止事項などのアナウンス)で、4期生の掛橋沙耶香(18)と、新4期生の黒見明香(16)松尾美佑(16)の3人が登場した。お互いあだ名で呼び合う仲で、松尾が「掛橋先輩、何かいいアドバイスお願いします!」と言うと、掛橋が「ずるい、ずるい、こういう時だけ! 同期だから、みんなで頑張ろう!」と返した。黒見と松尾は笑いながら「頑張ろう!」と元気に意気込んだ。壁がなくなったことを象徴するシーンだった。

4期生最年長の田村真佑(21)は「今回のライブでお互いいっぱい話して、すっごい仲が深まったかなって思います」と話した。過去の例を見ても、ライブのリハーサル期間や制作などを通じてメンバー間の距離が縮まることは多い。もともと仲の良かった4期生11人の中に新4期生が入っていくのは簡単ではなかったかもしれないが、ようやく一枚岩になってきた。

ライブでは、16人体制になってから初めての4期生楽曲となる「Out of the blue」(来年1月27日発売のシングルに収録)も初披露した。同曲でセンターを務める早川聖来(20)は「みんなが一丸となってくれて本当にうれしい。ここがスタート地点として16人で頑張っていきたいなと思います」と意気込んだ。

ライブ視聴チケットは6万1095枚売れ、推定同時視聴者数は約18万人だったという。日本を代表するアイドルグループの未来を担う光となり得る次世代メンバーたちにとって、「同期」の絆がしっかりと芽生えた大きな第1歩となった。【横山慧】