2021年の芸能界でブレークしたり、バズる「急上昇」候補は-。日刊スポーツが注目する新星たちを「2021年『急上昇!』」と題してお届けします。

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劇場版の大ヒットをはじめ、「鬼滅の刃」が大きなブームとなる中、昨年上演された舞台版で竈門禰豆子(かまど・ねずこ)役を演じて注目を集めたのが高石あかり(18)だ。透明感抜群のフレッシュさで、所属するエイベックス・マネジメントの今年の“女優柱”になる。

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空前の鬼滅ブームで、さらに注目度も上がった。

「出演が決まる前から、とても人気のある作品だと思ってましたが、これほど日本で知らない人がいないくらいになるとは思ってなかったですし、そこの禰豆子ちゃんにならせていただいて、改めて光栄に感じています。舞台を終わってからも『禰豆子ちゃんだよね』と言ってくださることも多かったです」

鬼と化しながら、時に兄の炭治郎を守る禰豆子を演じ、女優として1つ殻を破る経験ができたという。

「お芝居を越えて、『守らなきゃ!』と自然と思えて、思いがあふれた瞬間がありました。こういう瞬間が、お芝居をしていて楽しいことなんだと、自分では考えられない領域にいけたのかなと思いました」

今年の夏に上演予定の続編にも引き続き出演予定で「禰豆子ちゃんが感じたことをちゃんとお客さんに伝えたいと思います」と意気込んでいる。

宮崎出身。保育園の頃から「女優になる」と宣言していたという。

「小さい頃から目立つことが好きで、ダンスをしていたらステージに立てるのかなとかと思って、ダンスも始めました。ドラマ『花より男子』をみて、(井上真央演じる)つくしちゃんになりたい! と言ってましたね。先日、小学校の卒業アルバムを見る機会があって、しっかり『女優さんになる』と書いてありました」

目標としていた女優として活動する日々は、充実しているという。

「人と人とが会話して、芝居を作り上げる時に、自分が想像していることと相手が想像していることは違いますし、それが足された時に何倍になっていくのが『すごい!』って思うんです。歌やダンスも同じようなことはあると思うんですけど、そんな刺激を一番感じるのがお芝居だと思います」

今年公開予定の映画「とおいらいめい」でも、感情を内に秘める役柄で、また新たな自分にも出会えた。

「13分の長回しで、さらに全部アドリブというシーンがあるんですけど、涙がバーッと出てきて、演じている時はそこまで気持ちに追いつけてはいないんですけど、こういうことが殻を破ったということなんだろうなと…。終わった後に『楽しかった~最高だった~』って思うんです(笑い)。そんな自分の考え付かないところにたどり着いた時がおもしろいです」

今春に高校を卒業予定。一社会人としての生活も控える。

「とうとう大人になってしまうんですかね…(笑い)。学生というのが通用しなくなりますし、1人の大人として振る舞っていかないといけないと思います。深いところまでいったときに、またお芝居とかも変わってくると思います。1人の人間として、戦えることは楽しみです」

憧れという石原さとみ(34)のような女優を目指して、まい進していく。

「世界観が作り上げられていて、それが周りにも浸透していて、見ている方も『これが石原さとみさん!』と想像できる何かがあるのが、かっこいいなと思います。高石あかりといえば? と言った時に、想像できるものが『かっこいいな』というものであればあるほどうれしいので、頑張りたいです」【取材・大友陽平】

◆高石(たかいし)あかり 2002年(平14)12月19日、宮崎県生まれ。16年にダンス&ボーカルグループ「a-X’s(アクロス)」のメンバーとしてデビュー。18年に卒業後、女優活動を本格化。20年1月、舞台「鬼滅の刃」で竈門禰豆子役。今月から舞台「地縛少年花子くん-The Musical-」でダブル主演の八尋寧々役として出演予定。映画「ある用務員」(阪元裕吾監督)「とおいらいめい」(大橋隆行監督)など公開作も控える。160センチ。

※高石の「高」ははしごだか