昨年大みそかの「第71回NHK紅白歌合戦」第2部(午後9時~)の平均世帯視聴率が、関東地区で40・3%(関西地区39・3%)だったことが2日、ビデオリサーチの調べで分かった。

前年19年の37・3%から3・0ポイント上昇し、2年ぶりに40%台を回復した。第1部は34・2%で、前年19年の34・7%から0・5ポイントダウンした。

また、個人視聴率も発表され、第2部は29・6%、第1部は25・0%だった。

新型コロナウイルスの感染拡大で、ステイホームが呼び掛けられたほか、電車の終夜運転もなく、総世帯視聴率がアップしたとみられる。

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、今回は史上初めて無観客開催だった。ホールは1階客席の半分以上をつぶしてステージを拡大。ダイナミックな演出をみせる一方、同局内の複数のスタジオを使用。舞台転換の際に、歌手同士やバックダンサーらの接触を避けるためだった。

オープニングも総合司会の内村光良(56)は2階のルーフステージ、紅組司会二階堂ふみ(26)白組司会の大泉洋(47)も1階のステージで離れて立つなど、ソーシャルディスタンスを意識した演出だった。出場歌手が勢ぞろいするシーンもなく、映像で紹介されるのみ。フィナーレだけ、ソーシャルディスタンスを保ちながら、一部の歌手が勢ぞろいした。

それでも、歌手の紹介の時にはVTR映像をふんだんに使うなど、観客がいない分だけ、視聴者だけを見据えた演出が増えた。さらに、出場者の掛け合いの時間もないため、1人あたりの歌唱時間も長くなったとみられる。