バドワイザーやコカ・コーラ、ペプシなど大手企業やブランドが、2月7日にフロリダ州で行われる米最大のスポーツイベントとして知られるNFL王者を決める第55回スーパーボウルのCMから撤退することが明らかになった。

毎年1億人以上が視聴するスーパボウルでは30秒間のCM枠が500万ドル以上といわれ、世界でもっとも高額の広告として知られている。

毎年趣向を凝らしたCMが話題になってきたが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け撤退する広告主が相次いでおり、放送するCBSテレビによると他にも自動車大手アウディも撤退を決めているという。

ロックダウンによる球場やスタジアム、映画館の閉鎖などで売り上げが激減したコカ・コーラは、「私たちはサイドラインから冷えたコカ・コーラで仲間のブランドに乾杯します」とコメントしている。一方、バドワイザーとバドライトを生産・販売するアンハイザー・ブッシュは、予定していた広告出稿料を新型コロナワクチン接種の啓もう活動に寄付すると発表。「コロナの収束が早まるよう支援することで、今年後半には人々が再び集うことができるようになり、バーやレストランの営業が回復するよう支援したい」とコメントしている。

常連だった大手企業の撤退が相次ぐ一方で、今年はショートムービーアプリ「Triller」やオンライン自動車販売会社など新規企業の参入が決まっており、30秒のCM料金は550万ドルに達すると伝えられている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)