「スター・ウォーズ」シリーズ初の実写ドラマ「マンダロリアン」シリーズに出演していた米女優ジーナ・カラーノ(38)が、SNSの不適切投稿を理由に米ウォルト・ディズニー・カンパニーから解雇されたことが明らかになった。

ディズニープラスで配信中の同作でメインキャラクターの1人である元反乱軍兵士キャラ・デューンを演じていた。

米CNNなどによると、トランプ前大統領の支持者として知られるカラーノは、分断された現在の米国の政治情勢についてナチス・ドイツに迫害されたユダヤ人になぞらえる投稿をしたことが解雇理由だという。カラーノはこれ以外にも、以前からコロナ禍でのマスク着用を問題視する投稿やトランスジェンダーに対する差別的発言、大統領選には不正があったとするトランプ氏の主張を支持する投稿などもしており、SNSでは#FireGinaCarano(ジーナ・カラーノを解雇しろ)のハッシュタグがトレンド入りしていた。

ウォルト・ディズニーの広報担当者は、カラーノの投稿内容について「文化的並びに宗教的アイデンティティーに基づいて人々を中傷するもので、忌まわしく、受け入れられない」とコメントを発表。格闘家出身のカラーノが演じたデューン役はファンからの人気も高く、単独主演のスピンオフシリーズも企画されていたというが、「我々は今後も彼女を雇用することはない」と新作の製作も否定している。

ハリウッド・レポーター誌は、製作するルーカスフィルムはこれまでの度重なる物議を醸してきた投稿などから過去2カ月にわたって解雇理由を探していたが、多くのユダヤ人が虐殺されたホロコーストを例えにした今回の投稿が決定打になったと伝えている。所属していた大手芸能事務所ユナイテッド・タレント・エージェンシーからも契約を解除されたとバラエティー誌は伝えている。

事実上ディズニーから追放されたカラーノだが、翌日には保守派ニュースサイト「ザ・デイリー・ワイヤー」を立ち上げた保守派の政治評論家で作家のベン・シャピーロ氏と新作映画を製作することを発表。「デイリー・ワイヤーは私の夢の1つである自分の映画を作ることの手助けをしてくれることになりました。全体主義の暴徒による解雇におびえて生きているすべての人にこのメッセージを送ります」とコメントし、同じ立場の人に声を上げる勇気をもって欲しいと訴えている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)