女性ロックバンド「赤い公園」が1日、公式サイトで、5月28日に東京・中野サンプラザで開催するワンマンライブをもって解散すると発表した。

解散の理由として「津野米咲がいない“赤い公園”は、もはや違うものになってしまうのではないか」と、20年10月にリーダー津野米咲(つの・まいさ)さん(享年29)が亡くなったことを挙げた。

ベースの藤本ひかりは「東京の端っこにある高校の視聴覚室で始まった、普通の高校生のバンドが11年間、音を鳴らせたこと、聴いてもらえたこと、本当に幸せなことだと感じています。米咲のいない3人の船を漕いでみたい気持ちもありながら、不安の海に飲み込まれてしまったのが正直なところです」と思いをつづった。

その上で「ですが、面白いメンバーと活動してきたからか、真っ暗な深海にワクワクするような人間になってしまいました。宝物と思える日々を共に過ごしてこれたから、きっとこの先も大丈夫な気がしています。どんな時もただそこにあり続け、どんな人でも受け入れてくれる公園みたいな存在に、私達の音楽もなれていたら嬉しいです。赤い公園にいつでも遊びに来てね。今まで本当にありがとうございました。中野サンプラザでのライブ、最後の一音までしっかりお届け致します。お楽しみに!」と呼び掛けた。

ドラムの歌川菜穂は「2010年に結成して11年、沢山の出会いと別れがあり、その度に全力で向き合い、何度も何度も変化しながら、『バンド最高!』その気持ちだけを持って突っ走ってきました。しかし、米咲が遠くに行ってしまって、私たちが次に進もうとした時、それは「赤い公園」という形じゃないのではないか?と感じました。そしてやっぱり、みんなにとっての赤い公園は、そこに米咲がいる赤い公園であって欲しい。赤い公園は「赤い公園」を大切にするために、解散の決断をしました」と解散の理由をつづった。

バンドはボーカル&キーボードの佐藤千明(現チアキ)が17年8月に脱退し、ボーカル石野理子が18年5月に加入とメンバーの入れ替えがあった。歌川は「ちーちゃんとの4人、ひかり米咲私の3人、理子が入ってまた4人、どれも赤い公園で、どれも大切な時間。変わることは怖いことじゃないと思うんです。何かが終われば、また新しい何かが始まるということ。私たちはそれぞれの道で、また新たな人生を始めてみます」とつづった。

その上で「出入り自由な赤い公園なので、みんながこれからも思い思いに過ごしてくれたらいいな。みんなでワイワイ遊んでもいいし、コーヒー持って一息ついてもいい。失恋したら1人で泣きに来ればいいし、子供が生まれたら家族でも来て欲しい。そんな、みんなの公園になるといいな、と思ってます。11年間、本当にありがとうございました。5月28日の中野サンプラザ公演まで爆走して参りますので、どうぞよろしくお願い致します」(コメントは原文のまま)とファンに思いをつづった。