「三月花形歌舞伎」(6~21日)に出演する中村壱太郎(30)尾上右近(28)中村米吉(27)中村橋之助(25)が3日、京都・南座で、「流し雛(びな)」のイベントに出席した。

「流し雛」は災厄をはらうため人形を身代わりにして川や海に流すもの。下鴨神社の境内に流れる御手洗川で行われる桃の節句の恒例行事だが、今年は新型コロナウイルスの影響で中止となった。

イベントでは実際の川ではなく、舞台の床に水色の布をひき、それを川に見立てて「流し雛」を行った。壱太郎は「公演がまず成功することと無事に千秋楽を迎えることを一心に願いまして、流し雛をさせていただきました」と話した。

公演は4人と、橋之助の弟、福之助(23)歌之助(19)の6人が出演する。全員が30歳以下。右近は「アンダー30。30代以下のメンバーで幕を開けさせていただきます。私は今年で29歳。若手とはいえ、世の中で言えば大人。役割をきちんと担える芝居を」と意気込んだ。橋之助は「父(中村芝翫)が南座に体全体から魂を込めた汗をしっかりと染みこませていると思うので、兄弟3人、父にも負けず、振り絞る汗を届けられるように」と語った。

出演者が日替わりで「歌舞伎の魅力」を解説。演目は「義経千本桜」より「吉野山」と「川連法眼館」をAプロ、Bプロ役替わりで上演する。米吉は「初めての『吉野山』という第1歩をご覧いただきたい」とアピールした。

「歌舞伎の魅力」では、歌舞伎に関する質問に出演者が答える企画も用意されている。質問は南座公式ツイッターの引用リツイートで募集中。