野田秀樹氏(65)の作・演出のNODA・MAP公演「フェイクスピア」(5月から、東京芸術劇場プレイハウス、大阪・新歌舞伎座)が始動する。高橋一生(40)が主演し、川平慈英、大倉孝二、前田敦子、村岡希美、白石加代子、橋爪功が出演することが発表された。

野田氏は昨年3月、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため政府が、文化イベントの自粛を要請した際、「一演劇人として劇場公演の継続を望む」との意見表明をした。「ひとたび劇場を閉鎖した場合、再開が困難になるおそれがあり、『演劇の死』を意味しかねない」と危惧した。

その後、昨年4月に緊急事態宣言が発出されたことで、舞台だけでなく映画館やスポーツも閉鎖、中止、延期という事態になった。

そして今、客席の上限はあるものの、徐々に舞台公演は再開されている。

そんな状況を経ての野田氏の新作だ。「30年前に出会ったコトバの一群」が着想になったという。野田氏の作品は、目に見えるんじゃないかというくらい言葉が飛び交い、その言葉もダブルミーニング、トリプルミーニングを持っている。新作はあらためて言葉に向き合って作っているそうなので、どんな作品になっているのか楽しみだ。

高橋についても野田は、言葉がまっすぐに響く希有(けう)な役者、ととらえているという。