俳優竹中直人(64)が、フジテレビ系「十三代目市川團十郎白猿襲名記念ドラマ特別企画『桶狭間~織田信長 覇王の誕生~』」(3月26日午後9時)で、堀田道空役を演じる。

道空は戦国時代の武将。主演の市川海老蔵(43)が演じる織田信長と、後に岳父となる斎藤道三(本木雅弘)が対面した「正徳寺の会見」を取り持った人物と言われる。

物語は今川義元の大軍を数的にはるかに劣る織田軍が打ち破り、日本史上最大の逆転劇とうたわれ、織田信長を一躍戦国時代の主役に押し上げた伝説の一戦、桶狭間の戦いを題材とする。

竹中は「僕は、撮影現場は音楽でいう“セッション”のようなものだと思っています。台本はある意味、譜面。声をかけていただいて、現場に行くとそこに共演の方やスタッフがいる。その空気を感じながら、自分がどの音でゆくのか…。いつもそんな感じなので、役のことを考えて行くことがないのです。今回も現場を自分がどう感じられるのか、それだけでした」。

主役の海老蔵について「海老蔵さんとは、一度、映画『一命』(11年)でご一緒させていただいています。今回は、もうそのまま“信長”でしたね。海老蔵さんならではの信長になっているって感じました」と振り返った。

歴史上の人物を演じることについては「現代人であろうが、歴史上の人物であろうが、そこで生きている人間っていうことですから、特に意識はしていません。撮影のその瞬間、瞬間をとらえるのが監督の仕事だと思うし、その監督を感じて演じるのが役者の仕事だと思っています。戦国時代の人だからとか、考えたことはないですね。大河ドラマで96年にはじめて『秀吉』を演じた時も、“とにかく、でたらめにしましょう”っていうことがプロデューサーとの約束だったんです。所作とかそんなものはすべてとっぱらってって」と話した。

その後も、何度か秀吉を演じた。

「ふと考えると三池監督の映画『熊本物語』(02年)や大河ドラマ『軍師官兵衛』(14年)、昨年はゲームソフトでも秀吉のキャラクターになって。ずいぶん秀吉役はやっていますね。でも戦国の武将は他にも何人かやっているんですよ。信長も実は2回やっていますからね。加藤清正や石田三成もやりました。でも(歴史上の人物だからといって)特に意識はしていないですね。いつも、現場の雰囲気や空気を感じるだけです」。

今回は中尾明慶(32)が秀吉役を演じる。「中尾君とは『軍師官兵衛』の時もご一緒でしたし、昔からよく知っていて。今回久しぶりに会うので、とても楽しみにしていました。“久しぶり! 秀吉なんだ!”ってね(笑い)。共演のシーン、とてもうれしかったです」

ドラマの見どころについて「なんと言っても、“海老蔵さんの信長”だと思います。海老蔵さんの信長、僕自身も楽しみです。(信長正室の濃姫役の)広瀬(すず)さんとは19年に、野田秀樹さんの舞台『Q:A Night At The Kabuki』でご一緒でしたが、とてもパワーのある女優さんだなと思いました。今回は共演シーンがなくて残念です。初時代劇だとは知らなかったので、広瀬さんの“濃姫”も楽しみですね」と話した。