3月16日と17日に東京・芝公園のメルパルク東京ホールで「歌の祭典~2021春~」が開催された。2日間計3回公演に同協会に所属する延べ70人以上の歌手が集い、それぞれの大ヒット曲や名曲を披露した。
本当に豪華でバラエティーに富んだ歌手が出演した。菅原洋一、三田明、大津美子、加藤登紀子、八代亜紀、由紀さおり、園まり、三沢あけみ、北原ミレイ、山本リンダ、瀬川瑛子、美川憲一、大川栄策、鳥羽一郎、黒沢年男、山川豊、新沼謙治、宮路オサム、あいざき進也、あべ静江、伊藤咲子、大場久美子、沢田亜矢子、松原のぶえ、原田悠里、ロス・インディオス&NINA、クミコ、一青窈ら。他にも原田直之ら民謡界の重鎮も顔をそろえた。同協会の理事長である歌手・合田道人が総合司会を務め、3公演で川中美幸、香西かおり、伍代夏子が順に司会のコンビとなった。
1公演約2時間で、1人1曲が原則だったが、ほとんどがNHK紅白歌合戦に出演している歌手ばかり。新型コロナウイルス感染症対策で、観客数は収容人数の半数以下に限定され、当然マスク着用で、掛け声などは禁止されたが、来場者は拍手で心のこもった“声援”を送った。
このイベントは、一般社団法人・日本歌手協会(田辺靖雄会長)が、文化庁からの委託事業「歌で元気を取り戻そうプロジェクト」の一環として開催した。コロナ禍でストレスを感じ、不安な毎日を過ごされている方々に、活力を取り戻してもらうという趣旨のイベントで、同協会所属の歌手が駆けつけた。
それぞれの歌手は、いわゆる芸能プロダクションや事務所に所属し、あるいは個人事務所を立ち上げて活動している。日本歌手協会は、そうした垣根を取り払って、「大衆歌謡歌手の歌唱技術の向上及び活動環境の整備を図ると共に、歌唱活動を通じて健全な大衆歌謡の普及に努め、もって我が国の音楽文化の発展に寄与する」ことを目的に、1963年(昭38)に設立された。歴史ある協会で、これまで東海林太郎、藤山一郎、ディック・ミネ、林伊佐緒、田端義夫、青木光一、ペギー葉山、そして現職の田辺靖雄の8人が会長を務めて来た。昨年末の時点で、さまざまなジャンルの564人の歌手が会員となっている。
78年(昭53)から「日本歌手協会歌謡祭」を開催しているが、昨年はコロナ禍で中止となった。毎年、楽しみにしてくれていたファンのために、同協会では過去に開催された歌謡祭の映像を歌唱本人のコメントとともに配信している。またBSテレ東が「プレイバック日本歌手協会歌謡祭」を定期的に放送している。
日本歌手協会の活動は決して華々しいわけではないが、一世を風靡(ふうび)した歌手たちが、力を合わせて頑張っている。ぜひ注目してほしい。【笹森文彦】




