9人組ガールズグループNiziUが「第35回日本ゴールドディスク大賞」で「ベスト5ニュー・アーティスト」など3部門を受賞した。

リーダーのMAKO(19)RIMA(16)MAYUKA(17)が、コメントを寄せたが、なかでも、MAYUKAのコメントに人柄がそのまま反映されていた。

グループでは、NiziUの“カメレオン”がキャッチフレーズ。文字通り、彼女はパフォーマンスごとに、異なる表情を見せる。だが、パフォーマンスだけでなく、筆者が魅力的だと感じるのは、彼女の人柄だ。よく考えた結果、“隠れミッキー”のようだという結論に至った。

昨年6月に配信したプレデビュー楽曲「Make you happy」が、「ベスト5ソング・バイ・ストリーミング」を受賞した。MAYUKAは同曲について紹介し、受賞の喜びを語った。

その上で「あらためてWithUのみなさんに、J.Y.Parkさんに、そしてNiziUのメンバーに心から感謝します!!ありがとうございます!!」と“身内”でもあるメンバーにも、日頃の感謝を伝えていた。

そんなMAYUKAの優しい性格は、昨年12月のインタビューでも目の当たりにした。

今後、どのようなステージに立ちたいかと問われ、RIKU(18)が堂々と「東京ドーム」と回答した後、MAYUKAは「私もドームをやっぱり行きたいなあって思うんですけど、ドームになると広いじゃないですか。ファンの方と、ちょっと遠くなっちゃうのが嫌だなあっていう、ちょっとそういう複雑な気持ちもあります」と、少し困ったような表情で、素直な気持ちを明かしてくれた。

そして、その後「目指すはドームですけど、近いところでもやってみたいなっていう気持ちもあります」と、話した。

彼女たちは、コロナ禍でまだ直接ファンに会えていない。そのような状況ではあるが、デビュー直後のインタビューで、ドームコンサートなどの夢と同時に、ファンと遠くなる、心の葛藤が出てくるという、MAYUKAの発言に「なんて素直なんだ」と、ハッとさせられたことを覚えている。

MAYUKAは、猫好きで、マイペースな性格として知られている。現在はNiziUの1人として、多くの快挙を成し遂げているが、最初から自分に自信があるタイプではなかった。

オーディション番組「Nizi Project」に参加する前は「絶対受かるわけないって言われるのが怖くて、自分からオーディションに行く勇気がなかった」という。地域予選では、Park氏から「新人のような情熱が感じられない。没頭できない」など、厳しい言葉も掛けられた。

東京合宿では、不安がそのまま表情に出て、26人中ダンスが21位、ボーカルが24位という厳しい状況にあった。普通なら諦めるが、MAYUKAは違った。スター性評価では、2週間練習したオカリナで、中島美嘉「雪の華」を披露し、高評価を得た。

そして、最後のSHOWCASEで、現在も彼女が得意としており、NiziUの強みにもなっている、ラップと出会う。本人も「自分にはラップが向いているのかな?ってその時感じた」。自分の強みを見つけ、一気にキューブを3個獲得し、韓国合宿への道を切り開いた。

韓国合宿でも、自信のなさを多く指摘された。だが、ミッション3・2PMの「Heartbeat」で、「MAKOと話して自分の殻を破れた」と、デビューへの道をつかみ取った。

言わずもがな、今やNiziUには欠かせない1人だ。前に記述したインタビュー以外でも、他の8人とは違った、MAYUKAらしさが出ていた部分を多く見た。

昨年10月27日、日本テレビ系「スッキリ」に生出演した際には、番組内でやりたいことに「お礼をしたい」。その後、番組後半に「Make-」を、世界初生歌唱した。MCの加藤浩次らから、完璧だったと絶賛されたが「音、外してしまいました」と、手を挙げて自己申告するほどの、正直ものでもある。

同12月2日、記念すべきNiziUのデビュー日に、同番組に生出演。1人ずつ紹介され、スタジオに登場した。緊張の面持ちで「よろしくお願いします!」と、スタジオに登場する中、MAYUKAは「おはようございます」が、第一声だった。

オンライン動画配信サービス「Hulu」の「We NiziU!TV」では、MAKOとNINA(16)が、ポップアップストア内に潜入し、ポスターを張るミッションがあった。最終的に、メンバー全員がストア内に入れることになったが、合流後、MAYUKAはポスターの方に一目散に向かい、手伝っていた。

NiziUは、個性が豊かで、1人1人が違う。だからこそ良い。RIKUも「9人全員、それぞれいいところや、性格が違うから、いいっていうのがあると思う」と、“自分らしさ”の大切さを話していた。

そして、全員がセンターに立てる実力を持っている。その中に、自分から率先して前に出るようなタイプではないが、舞台裏で、パフォーマンス前にメンバーの肩をたたき、落ち着かせるなど、優しい縁の下の力持ちがいる。

今後は、歌番組でフロントラインに立ち、脚光を浴びることも増えるだろう。

探せば探すほど、パフォーマンス時以外の魅力も見つかる。その魅力は目を凝らして見てみると、多く発見できる。NiziUの“カメレオン”は、まるで“隠れミッキー”のようだ。