アニメ映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の庵野秀明総監督(60)が11日、都内で行われた同作の大ヒット御礼舞台あいさつに出席し、自身が出演したNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」について語った。

先月22日放送の番組では、「シン・エヴァ」の製作に携わる庵野氏を4年間にわたり密着。進行を務めた碇シンジ役の声優緒方恵美から「ご覧になりましたか」と聞かれると、「僕は見てない。僕が映っているものは見ない。嫌だから」とキッパリ答えた。

同作の最後の作業が終わった瞬間のことを聞かれた場面で、庵野氏はスタッフへの感謝を述べながら「各セクションにお礼を言って回って終わり。こういうところはNHKは撮ってないんです」とぼやいた。

また「(密着が)4年間とうたっているけれど、間に何カ月来ていない時期もあります」。続けて「もっといいシーンというか、これ撮っときゃいいのにっていうのは現場であった」とこぼしたが、すかさず緒方から「そうおっしゃっているシーンが映像になってましたよ」と突っ込まれると、会場から拍手が沸き起こった。

まだ言い足りない様子の庵野氏は「いいとこに来てないんですよ。バーチャルカメラの時も最終日がよかったのに。大抵初日に来ちゃって、最後に来ない。最後がいいのにね。もっといいところいっぱいあったのに。だからカメラに向かっても言ってたんだと思う」と振り返った。

くせ者ぶりから、番組ナレーションで「この男に安易に手を出すべきではなかった」と紹介されたことがネット上で話題を集めた。庵野氏は、これまでNHKからのオファーを断っていたことも明かし「今回『エヴァ』やってくれるっていうので、じゃあお願いしますと。ずっと断ってたんです」と舞台裏を語った。

鶴巻和哉、前田真宏両監督も登壇した。