歌手で女優のいしだあゆみ(73)が旭日小綬章を受章した。

ちょっと湿り気のある甘い歌声で歌唱した「ブルー・ライト・ヨコハマ」が大ヒット。NHK紅白歌合戦にも10回出場するなどスター歌手となった後は、女優業に主軸を移した。女優としても、インテリジェンスと母性、繊細さと芯の強さなど、さまざまなイメージを兼ね備え、幅広い役柄で活躍してきた。

いしだは受章の報に「身に余る光栄でございます。多くの方々がお力添えをしてくださり、支えてくださったおかげでここまでやってこれました」とコメントした。

フィギュアスケートの選手時代にスカウトされ、中学生の時に大阪から単身上京。1963年(昭38)にレコードデビュー。68年の「ブルー・ライト・ヨコハマ」が大ヒットした。その後は演技の世界へ。77年の映画「青春の門 自立編」で評価され、82年「野獣刑事」「男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋」などで、日本アカデミー賞主演女優賞を獲得。86年の映画「火宅の人」では、無頼の小説家檀一雄の妻役で存在感を放ち、数々の女優賞に輝いた。

テレビは「阿修羅(あしゅら)のごとく」「北の国から」「金曜日の妻たちへ」などの名作ドラマに次々出演。89年にはNHK連続テレビ小説「青春家族」のヒロインを清水美沙とともに務めた。

最近では、19~20年に放送されたテレビ朝日系連続ドラマ「やすらぎの刻(とき) 道」に出演するなど、73歳の現在も現役女優として活躍する。今後についても「これからも1作1作丁寧に心を込めてお仕事に取り組みたい」と抱負を語った。