歌手中澤卓也(25)が5日、故郷の新潟・長岡市のアオーレ長岡アリーナでコンサートツアー「約束」を行った。

バスケットボール、Bリーグ新潟の本拠地でもある同所は、2013年(平25)3月にNHK「のど自慢」でチャンピオンになった会場。それをきっかけにプロを目指したが「プロの歌手になったら、アオーレでコンサートやろうと心に刻んでいました」と目標にしてきた。

新型コロナ感染防止のため入場者は定員の50%となる1300人にとどめたが、インターネットの生配信のチケットも550枚が売れるなど、演歌・歌謡曲の有望株の実力を示した。

ギターの弾き語りでは、番組出演当時のゲストだったつんく♂のシャ乱Q時代のヒット曲「シングルベッド」をカバー。アンコール前の最後の曲は番組で歌った森山直太朗の「さくら」を選んだ。デビュー5年目の凱旋(がいせん)に「こんなに早く戻ってこられてうれしい。今日だけは自分をほめたいです」と感激していた。

当初は今年1月11日に予定されながら、新型コロナ感染拡大の影響で延期に。その決定直後に自身が新型コロナに感染して2週間自宅療養した。どん底を味わいながら、新曲「約束」に込めた「みんなつながってるよ」のメッセージを信じて、活動を再開。コロナ禍が続く中、集まったファンに感謝した。

以前は「ミラクルボイス」と呼ばれる歌唱力で、昭和、平成のヒット曲のカバーがコンサートの大半を占めた。今回はオリジナルのバラードだけでも、1コーナー構成するなど独自性が際立ってきた。

終了間際になり「楽しかった。もう1回、最初からやろうか」と名残惜しそうにした。今後も思い出の聖地で年1回恒例化することを、約束した。