お笑いコンビ、ピース又吉直樹(41)がフジテレビのスペシャルドラマ「世にも奇妙な物語’21夏の特別編」(26日午後9時)の「成る」に主演する。

同シリーズは1990年(平2)4月にレギュラードラマとして放送を開始、その後は特別編で年に2回放送されている。4つの奇妙なエピソードが登場するオムニバスドラマ。又吉はシリーズ初出演で初主演。

又吉が演じる主人公は有名プロ棋士の岩屋賢太郎。AI棋士を相手としたある日の対局、岩屋がいつものように駒を返すと、見たことのない「朮」という文字が駒に書かれていた。そしてAI棋士が駒を返すと、「明美」という女性の名前が現れる。動揺を隠しきれない岩屋。実は昨年、岩屋はその名前の女性と週刊誌に写真を撮られ、妻とは離婚協議中だった。

将棋の対局をモチーフとし、1人の人物の人生を振り返った作品。自分が人生をかけてきた将棋の“駒”に今までの人生が言葉として投影される。有名棋士になるまでに上り詰めた主人公だが、そこにたどり着くまでに、手をさしのべてくれた人や真摯(しんし)に将棋と向き合っていた頃のことすらも忘れてしまった。そんな主人公が対局を通じて人生を振り返り、最後に何を思うのか。

又吉は「将棋に詳しいわけではないのですが、いわゆる棋士の姿勢や、厳しい世界だという話は聞いていました。長時間集中して闘うということに尊敬の念を抱いているので、そういう役をやらせてもらえるんだとうれしく思いました。どの職業でも集中力というのは求められると思いますし、小説ももちろん集中力は必要なのですが、1人で書く作業なので、孤独ですね。将棋は孤独ではないかもしれないけれど、より長時間の集中力が必要だと思います。1人のシーンが多く、また、正座に慣れていないこともあって。ドラマの内容も過酷な闘いでしたけれど、いつ正座の体勢から足を崩そうかという闘いを1人でしていました(笑い)」と話している。