父親から避妊を強制されて妊娠も結婚もできないと2008年から続く成年後見人制度の終了を求めた米歌手ブリトニー・スピアーズ(39)の訴えが、裁判所に却下されたことが明らかになった。

スピアーズは先週、後見人制度に関する審理にリモートで出席し、「自分の人生を取り戻したい」と語って後見人として13年間にわたって自身の資産や生活を管理してきた父ジェイミー氏の解任を訴えていた。

しかし、ロサンゼルス郡上級裁判所は先月30日、スピアーズの管理能力の証明が十分ではないことなどを理由に却下したと米メディアは伝えている。

スピアーズは昨年11月にも弁護士を通じて制度の終了を求めていたが、「成年後見人制度を終わらせるのに十分な意思決定能力があると証明する書類が不足している」とし、財産管理を担う資産運用会社ベッセマー・トラストとジェイミー氏が共同で後見人を務めることを認めていた。

精神状態が不安定なことを理由にジェイミー氏が08年から資産や生活の管理を行ってきたが、スピアーズは管理下の生活は「虐待のようだ」と証言していた。

19年にジェイミー氏が大病を患ってからは一時的に後見人から退き、ケアマネジャーのジョディ・モンゴメリー氏が後見人を務めているが、ベッセマー・トラストとともに資産の管理は続けており、後見人としての権利は持ち続けている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)