社会学者の古市憲寿氏(36)が、西村康稔経済再生担当相が酒類の提供を続ける飲食店に対し、要請に応じるよう融資元の金融機関から働きかけてもらうとの考えを示したことに、「危険すぎる」と問題提起した。

古市氏は9日、ツイッターを更新。西村氏が8日夜に会見した際の発言について報じた記事を貼り付け、「法的根拠もなく国の認可事業である金融機関に圧力をかけるなんて国の壊れはじめだよ」と危惧。「酒類販売業や、金融機関への圧力は、強権的に言うことを聞かせるのが目的になっていて、もはや肝心の感染症対策が置き去りになっている。一大臣のスタンドプレーだとしても、馬鹿すぎる。いや、違うな。危険すぎる」と指摘した。

その後のツイートでは「西村大臣の発言というのは、みんなが馬鹿にしたアベノマスクよりも何十倍もやばいことで、この国の中枢ががったがったになっていることの象徴だと思う」と私見を述べ、「なぜアベノマスクと比べるかというと、2020年春、値上がりを見込んで大量のマスクを業者が出し惜しみをしていた。国家が強権的にマスクを徴用するのは現代にはそぐわない。そこで市場メカニズムを使って、業者にマスクを自発的に手放してもらうために、マスク配布を宣言した。試みが成功したかはわからないが、理念としては誠実なんだよ」と説明した。

西村氏は8日の会見で、新型コロナウイルス対策を強化するため、政府の休業要請に応じず酒類提供を続ける飲食店との取引停止を酒類の卸業者や販売店に要請するとした。