俳優市原隼人(34)、ももいろクローバーZ玉井詩織(26)、森崎ウィン(30)らが31日、都内で、映画「都会のトム&ソーヤ」(河合勇人監督)の公開記念舞台あいさつに出席した。

推理小説シリーズ「都会(まち)のトム&ソーヤ」が原作。類いまれなサバイバル能力を持つ中学生・内藤内人(城桧吏)と、一大財閥の御曹司で学校一の秀才である竜王創也(酒井大地)の2人が、天才ゲーム・クリエーター集団「栗井栄太」が仕掛ける数々の謎を解くために、推理と冒険を繰り広げていく物語。

学生役の城桧吏(14)酒井大地(15)豊嶋花(14)渡邉心結(13)をみて市原は「ぼくは本当に子どもが好きで、メインキャストの子どもたちが楽しみながら現場にいるっていうのを意識しながら、そこにいさせていただけるっていうことを感じていました」と優しく振り返った。

自身も10代前半でデビューしており「その時って全てが輝いているようにみえるんですよ。機材も職人たちも技術スタッフも監督も。プロデューサーの家に泊まりに行ったり、監督がお父さんみたいだったり、そういう感覚でいたんですね」と懐かしんだ。経験を重ねるにつれて撮影に慣れていったが、「それ(子どもたちがキラキラしている姿)をみられてすごくうれしかったです」と喜んだ。

城から「市原さんのように演技ができるようにがんばりたい」と憧れの思いを明かされると、市原は「恐縮です」と言いつつ「なんでもやっていいんだよ、現場は。物が言えない現場なんてダメ。いろんな部署が横に並んでいろんなことを意見を交差させながら作っていくのが映画だと思う。キャリアも関係ない。お客様を楽しませるっていうことは、ぼくらが楽しまなきゃいけない。みなさんが楽しんでいる姿が僕はすごくうれしかった」と熱く語りかけた。

さらに「まだまだ自分が言える立場ではないんですけど」と断りつつ「達成感ってはかないんですよね。何が正解か分からないし、いろいろな作品でいろいろなものを得て、映画とかドラマとか舞台って何のためにあるんだろうって、なぜ、存在するんだろうっていう意義を自分たちで見いださなきゃいけない。映画なんて無くてもいいんだから。生活できちゃうんだから。だからよりいろんな人に見ていただけるような作品にしなきゃいけない。情熱を持たなきゃいけない。そのために、みなさんすてきなアイデンティティーがあるので、自分たちの個性を大事にしながら育んで下さい。一生応援していますから」とメッセージを送った。

玉井は「この映画の魅力の1つが『夢に向かって突き進む若者たち』」と10代キャストを見渡した。続けて「『若者たち』っていうと自分もそういう年になったんだなって思うんですけど(笑い)、学生が後先考えず夢をかなえるために突き進むパワフルなところに大人の皆さんもきっと学生っていう道を通ってきたからこそ、自分の学生の頃と照らし合わせてみても面白いかなって思う」と注目点を話した。

森崎は「台本を読んだ時からすごいワクワクがとまらなくて、これが映像になって初めて見たときは『おーーーおーーー!』みたいな。子ども心がよみがえったような感覚に陥った。一瞬現実を忘れられる瞬間が得られた」と熱弁した。

河合監督、原作のはやみねかおる氏も出席した。