有村架純(28)が8日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われたの日米合作「映画 太陽の子」(黒崎博監督)初日舞台あいさつで、共演した三浦春馬さん(享年30)との思い出を、目に涙をためて語った。

有村は、劇中で朝倉世津を演じた。柳楽優弥(31)演じる京都帝国大理学部で海軍から依頼された原子核爆弾の開発を急ぐ石村修と、三浦さんが演じた陸軍の下士官として戦地にいて一時、帰郷する修の弟裕之が思いを寄せる、幼なじみという役どころだ。

有村は、撮影の思い出を聞かれると「現場自体は皆さん、とても温かい方たちばかりでしたし、穏やかな中、撮影が進んでいった印象がある」と振り返った。その上で柳楽と三浦さんについての印象も語った。

「柳楽さんは、一緒に現場で過ごしていて思ったのが、とても周りを巻き込む力が強い方だと思って。自ら能動的に動くというよりも、そこにいるだけで周りが引っ張られていく。柳楽さんの中心にある部分に、勝手に吸い込まれていくような感覚があって…空気が変わるって、こういうことなんだなと現場で思った」

「春馬さんは、それとは違って、いろいろな空気、個性がある空気を全て調合して、また新しいものを作ってくれる雰囲気を感じて。多分、春馬さんは、どこに行っても、みんなが気持ち良く場が流れていくというか、そういう空気を作ることが出来る役者さんなんだなと感じました。2人ともすてきな俳優さんだと思いました」

有村は舞台あいさつの最後で「この作品には、たくさんの伝えたいメッセージがあって…。戦時下の話ではあるんですけれども、若者たちが未来を作るために懸命に生き抜く話でも、青春のお話でもある」と語り出した。その上で「未来というのは、今は正直、先行きが不透明で、考えるのも疲労してしまう状況だとは思うんですけど、そこで考えることを諦めてしまうのは、私自身としては心苦しい」と昨今の状況を踏まえ、自身の作品への思いを訴えた。

そして「春馬さんも、よくおっしゃっていた『自分たちの仕事、役目は想像力を届けることだ』ということを、改めて自分も、皆さんと一緒に考えい行けたら1番、うれしいなと思います」と、生前の三浦さんの言葉を、目に涙をためながら客席に語りかけた。