芦田愛菜(17)が27日、東京・新宿バルト9で行われた主演のアニメ映画「岬のマヨイガ」(川面真也監督)初日舞台あいさつで「カッパと一緒に川遊びできたら楽しい」と瞳を輝かせた。

芦田は劇中で、ある事情で家を出た17歳のユイを演じた。ユイは粟野咲莉(11)が演じた両親を事故で亡くしたショックで声を失った8歳のひよりとともに居場所を失いながらも、大竹しのぶ(64)演じるキワさんという不思議なおばあちゃんと出会い、海を見下ろす岬に建つ、訪れた人をもてなす、岩手県に伝わる伝説の家「マヨイガ」に住むことになった。

そんな血の繋がらない3人の家族の下に“ふしぎっと”と呼ばれる優しい妖怪たちが力を貸しに来てくれる物語にちなみ、好きな“ふしぎっと”を問う質問が出た。ふしぎっとの1つとして登場する「河童」は、サンドウィッチマンが演じているが、芦田は「私は、やっぱり河童ですかね、すごく人間味のある感じで映画に描かれ、すごくかわいくて一緒に川遊びできたら楽しいだろうなと思います」と笑みを浮かべた。

「岬のマヨイガ」は岩手県盛岡市在住の児童文学作家・柏葉幸子氏が東日本大震災をモチーフに、東北の民話を盛り込みつつ執筆したファンタジー小説。岩手日報「日報ジュニアウイークリー」で14年5月から翌15年まで連載された小説を加筆、修正し、同9月に出版。第54回野間児童文芸賞を受賞した。芦田は「マヨイガは岩手県の伝承で、訪れた人を、もてなしてくれる不思議な家。(映画が)皆さんに、ささやかな幸せを届けてくれたら」と語った。

芦田は、劇中で好きなシーンを聞かれると「3人でみそおにぎりを縁側で食べているシーン。くだらない話で盛り上がって、笑いあっている姿が、まさに小さな幸せなんだなぁ、身近にある日常って幸せだなぁと感じて」と語った。その上で「私も学校で友だちと、たわいもない話をしている時間が、すごく楽しくて。そんな時間があるって、すごい幸せなことだなと改めて実感しました」と、しみじみと語った。