女優武田梨奈(30)が、香港のゾンビ映画「重慶大厦(チョンキンマンション)」の出演陣に名を連ねていると、米ハリウッドの芸能サイト「デッドライン」が6日、報じた。同サイトは「香港のゾンビ映画のキャストの中に日本のアクションスター武田梨奈」と大きな見出しを付けて報じている。

「デッドライン」によると「重慶大厦」は香港にゾンビが大量発生してしまい、香港の有名なビルである重慶大厦に上らなければならなくなった、世界各国の人々を描くアクションスリラー映画だという。物語の舞台となる重慶大厦は、香港の繁華街の1つ、九龍のネイザンロードに1961年に建てられた複合ビルで、最上階は17階で一見、1棟の長方形のビルに見えるが5棟が合体した複雑な構造の建物だ。繁華街の中ながら安宿が密集していることで知られ、世界各国の料理店も軒を連ね、世界から観光客が集まる一方、犯罪も多いことで知られてきた名物ビルだ。

主人公は重慶大厦に閉じ込められた妻子を救おうとする米国人男性で、映画は英語で撮影される。ただ、出演陣に武田をはじめ韓国の女優コ・ジュンヒ(36)香港の女優・楊柳青(34)シンガポールの俳優デズモンド・タン(35)と同国の女優レベッカ・リム(34)と各国の俳優が名を連ねるため、日本語、広東語、韓国語など多言語が飛び交う映画になりそうだ。武田は日本から来た特別捜査官を演じる方向だという。

プロデューサーのビザン・トン氏は「(ゾンビ映画の第一人者で17年に亡くなった)ジョージ・A・ロメロ監督に敬意を払いつつ、ジョーダン・ピール監督の『ゲット・アウト』(17年)『アス』(19年)のトーンに近づけるような感じでタペストリーのように連なるゾンビ映画の伝承を、進化させる助けになりたい」と語っている。世界中で新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない中、撮影は来春を目指しているという。

「デッドライン」は、武田の起用は、09年の主演映画「ハイキック・ガール!」(西冬彦監督)と15年の「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」(樋口真嗣監督)で披露したアクションが大きいとの見方も示した。

武田は20年近い空手歴があり、09年の初主演映画「ハイキック・ガール」でも空手経験を生かしたアクションを披露している。