7月27日に死去が発表された東野圭吾さんの同名小説が原作の映画「白鳥とコウモリ」(岸善幸監督、9月4日公開)オープニングセレモニー&完成披露試写会が2日、都内で開催され、東野さんをしのんだ。
オープニングセレモニーのイベント冒頭には、司会を務めた日本テレビの川畑一志アナウンサー(32)が、東野さんの訃報について触れ「製作者一同、哀悼の意を表します。深い敬意と感謝を胸に完成披露試写会をお届けしていきます」とあいさつした。
岸監督は「東野圭吾先生が先月27日に逝去されました。哀悼の意を表します」とし「『白鳥とコウモリ』で描かれたテーマは人間の複雑な感情だったり、生きることの悲しみだったり厳しさだったり、生きるために必要な希望を描いた作品でした。映像化に当たって日々話し合いをしながら撮影に臨んでいました。今日この作品が皆さんの前で披露できることをうれしく思います。この作品を楽しんで見ていただければ、東野先生もよろこんでいただけると思います」と呼びかけた。
SixTONES松村北斗(31)と今田美桜(29)がダブル主演を務める。松村は「東野圭吾さんの作品に、僕が好きな理由はいつも登場人物であるとか、ひいては読者の心に複雑な意味で深く寄り添う方だなという印象があります。人の心っていうのは完全な100と0で白黒付けられるものではないと感じていて。自分にとってはそのメッセージが救いだったんです」と一読者として受け取ったメッセージを語った。「複雑で深い意味での愛」がある作品とし「そのような思いを受け継ぎ、これから多くの方に届けていけたらと思っています」と背筋を伸ばした。
今田は撮影を回想し「拭い切れない疑問を前に、さまざまな思いと葛藤しながらも真実を追求する姿に私自身心動かされましたし、それを大切に演じさせていただきました。登場する人間模様がとても丁寧に描かれておりますので最後まで見届けて欲しいですし、出演者の1人として大切に届けていきたいと思います」と語った。
同作は、7月27日に死去が発表された作家・東野圭吾さんの同名小説が原作。解決したはずの殺人事件に違和感を抱いた容疑者の息子(松村)と被害者の娘(今田)が、タブーな関係性でありながらも手を取り合い、事件の“真相”を追う物語。「白夜行」「手紙」の系譜を継ぎ、東野の作家生活40周年の年に実写映画化となった。
東野作品は「ガリレオ」シリーズなど多数映像化されてきたが、今作は東野さんの生前最後に映像化が発表がされた作品となる。今年1月に映画化が情報解禁された際には東野さんもコメントを発表。「殺人事件を扱ったミステリ小説の多くは、犯人が判明することによって幕を閉じます。しかし本作はそこが始まりで、被害者遺族と加害者家族の苦悩がストーリーの中心となっています。かなり複雑な構造で、太さや光沢、硬さなどまるで千差万別な糸が編み込まれた織物のようなものです。その糸を一旦解きほぐし、映像として編み直したらどんなものが出来上がるのか、今からとても楽しみです」と期待を寄せていた。
◆東野圭吾(ひがしの・けいご)本名同じ。1958年(昭33)2月4日、大阪市生まれ。81年、大阪府大工学部を卒業後、日本電装(現デンソー)に入社、エンジニアとして勤務した。在職中に小説を書き始め、86年退社。85年「放課後」で江戸川乱歩賞受賞。直木賞候補に挙がった作品は「秘密」「白夜行」「片想い」「手紙」「幻夜」。第134回直木三十五賞作「容疑者Xの献身」は天才的数学教師が愛する女性のために仕組んだ完全犯罪の正統派ミステリー。他にも「加賀恭一郎」「ガリレオ」シリーズで知られる。



