TBSのリアルタイム自動字幕生成システム「もじぱ」と会議システムを使った簡易中継スタイル「TBS BELL」が2021年日本民間放送連盟賞(民放連賞)技術部門の優秀賞を受賞したことが17日、分かった。

民放連賞は、番組、CM、放送技術の向上と、放送活動の発展を図ることを目的に創設されたもの。全国の民放各社から応募された番組と事績を対象に年1回審査を実施し、優れた番組、優秀と認められた事績を顕彰している。

今回、両システムが“質の高い番組をより多く制作・放送されること”を促したことが高く評価された。同局のシステムが同時受賞したのは初めて。「これからもすべての人にやさしく、そして楽しいコンテンツを届けるべく、さまざまなシステムの開発に挑んでいきます」としている。

「もじぱ」は、AI音声認識システムと、TBSの字幕システムを連携させ、音声からリアルタイムで自動的に字幕を生成するシステム。特殊な訓練や、人材の確保や育成には時間や労力がかかった生放送の字幕付与作業を、より迅速に効率化につなげることが可能になった。

「TBS BELL」は、コロナでの新しい映像表現として急増した、会議システムを使った簡易中継スタイルの進化版。2カ月というスピードで発想から開発、運用を開始し、レイアウトを自由に決められるなどテレピ局ならではのコンテンツ制作に特化した使いやすさを追求した。すでに大型番組などで実績を積み重ね、“身近で随場感のある楽しい番組作り”を支える演出の1つとして浸透している。同システムは、“技術のギャラクシー賞”とも呼ばれる2020年の「一般社団法人日本映画テレビ技術協会第74回技術開発賞」も受賞している。