東貴博(51)と「浅草おかみさん会」の冨永照子理事長(84)が18日、東京・浅草のまつり湯で冨永理事著の著書「おかみの凄知恵」(TAC出版)の出版記念トークショーを行った。

冨永理事長は浅草の老舗そば店「十和田」の経営者として、浅草サンバカーニバル、浅草ニューオーリンズ・ジャズフェスティバル、2階建てバスの導入などを実現した“伝説のおかみ”。88年に亡くなった父の東八郎さん(享年52)を継ぐ2代目浅草芸人で、浅草でもんじゃ・鉄板焼きの店「浅草MJ」を経営する東とともに、コロナ禍で苦しむ浅草の街のために、長年培ったノウハウを明かした。

2人はトークショーの前に会見。東は「浅草のそば屋のおかみさんが本を出しただけで、こんなに取材陣来ますかね(笑い)。浅草じゃ知らない人はいないんですけどね」。冨永理事長は「東君より来るよ」と笑った。

2人の交際は30年以上前にもなる。東の師匠の萩本欽一(80)が「浅草に若い人のための劇場がほしい」と話したことから、冨永理事長が動いて「欽ちゃん劇場」ができた。冨永理事長は「欽ちゃんが若い人のための劇場がほしいって言うから、ダイエーの中内(功)さんに頼んで、ショーレストランを作ってもらった。そこから育ったのが、東君」。東は「欽ちゃんも、本当にできるとは思っていなかった(笑い)。はしのえみ、あさりどがそこで切磋琢磨(せっさたくま)して、テレビに出ていくようになった。頭が上がらないんです」と振り返った。

本を出版するきっかけについて、冨永理事長は「いろんな経験してきて、しょっちゅう人が相談に来るんです。いろいろなことを話して『それを残してくれないか』と言われてたんです。そうしたら、おかみさん語録を作ろうと出版社から話があって、渡りに船ですね(笑い)。浅草の街興しをずっとやってきて、もう先がない年齢になったので、なんとかコロナ禍で苦しむ全国の商店街とかの参考になれば」。

東は「先がないって言ってから、長いですよね(笑い)。そう言って、お金持ちを脅迫するんですよ。多分、140歳くらいまで生きると思いますけど。おかみさんは芸人を応援してくれて、若い頃の僕たちに食事券を作ってくれた。おなかすいたら、うちにおいでって。みんなお金ないからね。僕はあったんですけどね」と笑った。

コロナ禍で浅草の飲食店を大きな打撃を受けた。冨永理事長は「やくざじゃないんですけど、浅草でお店だすと、みんな私にあいさつに来るの。今、浅草はコロナで手の打ちようがないけど、今はウオーミングアップ中だと思うことにしている。もうちょっと早くコロナを何とかしてもらいわないと困ります。毎日、小池さんの顔を見て『なんとかしてよ、緑のおばさん』って言ってます」。

浅草復興には「東君はお父さんの八郎さんと親子2代、由緒正しい浅草芸人。浅草復興のためには、大衆芸能しかない。お金持ちにお金を出させて、浅草に大衆芸能の劇場を作るのが、私の今の夢。それには東君がリーダーになるしかない」と東を浅草復興のためのリーダーに指名。東も「『いつか浅草で舞台やりなさい』と言われている。小さい舞台だったらできるんですけど、頑張ります」と話した。