英ロックバンド、ザ・ローリング・ストーンズが20日、米マサチューセッツ州でドラマーのチャーリー・ワッツさんを追悼する特別公演を行った。ワッツさんは先月24日に英ロンドンの病院で家族に見守られながら安らかに息を引き取った。

米ピープル誌などによると、26日から北米をまわる「ノー・フィルター・ツアー」をスタートさせるザ・ローリング・ストーンズは、それに先立って非公式のプライベート公演を行ったという。バンドが公演を行うのはワッツさんの死後初めてで、生前ワッツさんから代役に指名されていたスティーヴ・ジョーダンがドラムを担当した。

公演はNFLニューイングランド・ペイトリオッツのオーナー、ロバート・クラフト氏が主催したもので、フォックスボロにあるチームの本拠地ジレット・スタジアムに招待された少人数の観客を前に14曲を披露したという。ミック・ジャガー(78)は21日、演奏を始める前のステージでキース・リチャーズ、ロニー・ウッドと共にメンバー3人が集まってワッツさんを追悼する様子をツイッターに投稿した。ジャガーは「59年間で初めていとしいチャーリー・ワッツ抜きで行うツアーは、少し心が痛む夜だ。僕たちはみんな、チャーリーをとても恋しく思っている。バンドとして、友人として、ステージの内外で恋しく思っている」と話し、ワッツさんをしのんだ。「たくさんの思い出がある。以前バンドを見たことがある人たちならきっと同じだと思う。私たちと同じように、チャーリーのことを忘れないでいて欲しい。このショーをチャーリーにささげます」と語り、手に取ったビール瓶をかかげて献杯する姿もあった。

メンバーはワッツさんの死後に発表した声明で、ワッツさんの意思を尊重して「ノー・フィルター・ツアー」を予定通り行うことを発表していた。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)