尾上菊之助(44)の長男尾上丑之助(7)が、東京・歌舞伎座「九月大歌舞伎」の第2部「近江源氏先陣館 盛綱陣屋」で大熱演していた。

5月の「春興鏡獅子」では、とてもしっかりときれいな踊りをした。今回は出番も長く、せりふも多く、切腹する場面まである。よく通る大きな声、共演者のせりふを聞き、鳴り物の音を聞き、1つ1つを丁寧に演じていることを感じた。

これまで出演した舞台には、祖父尾上菊五郎か父が一緒に出演していたが、今回は2人とも出演していない。そのことが丑之助を大きく成長させているのかもしれない。

「盛綱陣屋」は、敵味方に分かれた武士の兄弟に起こる策略や悲劇を描いた名作。真田兄弟の史実を鎌倉時代に置き換えた。丑之助は、弟高綱の息子を演じた。父母への思いや、父の策略を知り取る行動が泣かせる。幸四郎演じる主人公の兄盛綱との目配せなど、細かな演技も見せた。

盛綱は、丑之助の祖父中村吉右衛門が何度も務めた当たり役。吉右衛門は現在休養中だが、元気なら共演していたはず。7歳の丑之助がいろいろな思いを背負って演じていた。