草笛光子(87)が28日、東京・浅草の今戸神社で行われた映画「老後の資金がありません!」(前田哲監督、10月30日公開)大ヒット祈願イベントで、本番中に前歯が落ちてしまったものの、そのまま撮影されたと明かした。そのシーンでバトルを演じた毒蝮三太夫(85)は「汚ったねぇババアという印象しかない」と言い放った。

草笛は劇中で、主演の天海祐希(54)演じる後藤篤子の姑の芳乃を演じた。篤子の友人神田サツキ(柴田理恵)の家のトラブルを救おうと、芳乃が毒蝮演じる大泉健三に扮(ふん)する場面がある。そのシーンの撮影の際、草笛の前歯が落ちてしまったが、前田監督はそのまま撮影したいとリクエストしたという。草笛は「1番、前の歯が抜けた。『ノリがないかしら?』と言ったら、監督が『そのまま撮らせてくれ』と。60~70年やって初めて撮らせてあげた」と笑いながら振り返った。

毒蝮は、自身の役どころに扮した草笛を見た印象について「現場で最初に会った時、俺がいるなと思うくらい驚いた。汚ったねぇ、ババァだなという印象しかない」と笑った。草笛から「ジジイよ」と言い返されると、毒蝮は「3つしか違わない。度胸の良さ、よくやった」とたたえた。

草笛は「この年まで私、女優やってきちゃった。もう少し、早くいっちゃうと思った。血液検査でも何も出ないから。みなさんと楽しくお仕事でき、おいしく食べて。今、最高に幸せ」と笑みを浮かべた。

毒蝮は「(劇中で)天下の草笛さんに『ババア』と言ったのは気持ち良かった。TBSラジオでもやってきましたが。人の前でまた出来る日が来るように願っております」と、しみじみと語った。TBSラジオでは「土曜ワイドラジオTOKYO ナイツのちゃきちゃき大放送」内でオンエア中の「毒蝮三太夫のミュージックプレゼント」で首都圏各所を回り、お年寄りに「ババァまだ生きてたか!」と呼び掛けるのがウリでやってきただけに、コロナ禍の1日も早い収束を願った。