V6がデビュー26周年を迎えた1日、千葉・幕張メッセで全国ツアー千秋楽となるラストライブを開催し、解散した。熱気に包まれたステージで41曲をパフォーマンスし、最後までファンを魅了した。メンバー6人が1人も欠けず26年間を走り抜けた芸能界史上まれに見るアイドルグループが、大団円を迎えた。

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冒頭6曲を終えた6人は、既に汗だくだった。井ノ原快彦(45)は「いつもと同じようにやっているのに、汗が違いますね」と笑った。岡田准一(40)は「思いを全部届けられるように、出し切ります」と誓った。大きな拍手を浴びた。

26年間を詰め込んだ集大成のライブだった。デビュー曲「MUSIC FOR THE PEOPLE」や代表曲「WAになっておどろう」など41曲パフォーマンス。解散後も存続する年長組のグループ内ユニット「20th Century(トニセン)」、解散をもって活動終了する年少組ユニット「Coming Century(カミセン)」も4曲ずつ披露した。

26年間1人も欠けず表舞台で活動を続けた複数人アイドルグループは、芸能界でもほとんど前例がなく“偉業”とも言える。開演前に取材に応じた三宅健(42)は「本当に、この6人だったから、って言葉に尽きます」と説明。リーダー坂本昌行(50)も「本当にこの6人だから、っていうのが大きな理由かなと。その瞬間瞬間で、それぞれがV6を楽しめていたから今があるのかな」と話した。

少年隊、SMAP、TOKIO、嵐と、ここ数年、ジャニーズ事務所では大きな節目を迎えるグループが続いた。その中でV6は、他のグループとタイミングなどが重ならないようにしながら、解散の発表やツアー、ラストライブを迎えた。テレビ局関係者は「他のグループとの兼ね合いで、解散の発表を待った部分もあると聞く。結果的にこうして“きれいな形”で締めくくれて、よかったのではないか」と分析した。

この日は、TOKIOや嵐をはじめ、多数のジャニーズ事務所所属タレントが会場を訪れた。今月12日にデビューを控える関西ジャニーズJr.内グループなにわ男子ら、若手の姿も。岡田は「1つのV6というモデルケースとして、僕らはいい終わり方ができたと思う。若い子たちにはどう感じ取ってもらってもいいので、みんなで楽しく、仲間ということを意識して、駆け抜けて行ってもらいたいです」とエールを送った。

アンコールでは6人が肩を組んで登場。巨大モニターに無数のファンからのメッセージが映し出され、ファンが「ありがとう」と伝える音声が次々と流された。コロナ禍で会場のファンは声援を送れない中での、粋なサプライズだった。人前でめったに泣かない三宅も「あっぶね~!」となんとか涙をこらえた。

長野博(49)は目を潤ませ「皆さんの笑顔がこれからもたくさん見たいので、前を向いて、しっかりと歩いていこうと思います」と声を震わせた。この日をもってジャニーズ事務所から退所した森田剛(42)は「こうやって皆さんに惜しまれて終われるっていうのは、幸せでした」と感慨を込めた。リーダー坂本は「これが最後ではなく、またこの景色を見るために頑張っていきたいと思います」と頭を下げた。

本編ラストでは、井ノ原の声かけで6人がファンとともに「俺たちがV6~!」と絶叫。最後は何度もファンに手を振ってステージから去った。会場では約15分間、拍手が鳴りやまなかった。26年を駆け抜け、まさに有終の美を飾った。【横山慧】