俳優藤原大祐(18)が、仲村トオル主演映画「愛のまなざしを」(万田邦敏監督、12日公開)に出演する。19年秋に撮影し、藤原にとっては初演技作。このほど、日刊スポーツのインタビューに応じた。

コロナ禍の影響で公開の順序が入れ替わったが、藤原にとって初演技の“デビュー作”がやっと公開される。

「僕がデビューする前の撮影でした。初芝居、初現場、初オーディションで取った役でした。右も左もわからない状態で挑んだので、台本を読んだ時も『こう演じよう』と思ったより、漠然と『こういう役なんだろうな』って考えて。あとは、がむしゃらに現場に真っすぐ突っ込んで行く感じでした」

初現場にもかかわらず、緊張はしなかったという。

「人生で緊張したことがほぼ無くて。緊張するのって、『失敗するかも』って思ってしまうからだと思うんです。僕は根拠のない自信があるから『なんかできるかも』って思っちゃうんですよね。今の僕で言うと、4~5割は役作りをして、だいたい手札の中から現場によってそれを使い分けている。ただこの時は、手札を作ることもできなかったので、9割くらいは考えずに現場に身を委ねました」

映画は「愛」の本質を見つめ、人間の性とエゴをあぶりだした愛憎サスペンスだ。

「光の見えないトンネルの中に入っているような作品です。みなさんもそのトンネルの中に一緒に入っていただいて。見終わった後に『スッキリした』と言えるような作品ではありませんが、心のモヤモヤを一緒に楽しんでいただいて、愛とは何だとかを一緒に考えていただけたらと思います」

これまで、20年の日本テレビ系ドラマ「おじさんはカワイイものがお好き。」、同年TBS系ドラマ「恋する母たち」などに出演するなど、着実に実力を付けている。演技経験を積んだ今見る、初演技は本人にはどう映っているのか。

「恥ずかしいものだと思って(改めて映画を)見たんですけど、逆に恥ずかしくなくて。もちろん、今と比べたら演技が下手ではある。でも、この作品でしか出来ない芝居をしていたので、すごくレアというか一生出せない芝居でした。今の僕を知ってくださっている方がみたら、逆に新鮮な気持ちになるというか。そういう意味でも楽しんで欲しいです」

初作品で仲村トオルの息子役を演じた。共演し「役者としての実感が湧いたというか、役者人生が始まったなって思える1つのきっかけでした」と語った。

「仲村さんは、想像の10倍くらい優しい人でした。本当のお父さんみたいな感じで話しかけてくださって。クランクアップの時も『大祐は絶対ビッグになるから、サインちょうだいよ』って言われて。2人のシーンの裏に、当時はサインが無かったので、漢字で名前を書きました。僕もサインをいただきましたし、今も大切に持っています」

学生時代にスカウトを多く受けた。芸能界入りのきっかけは、母親の知り合いが履歴書を送っていたことだった。強みは「根拠のない自信があるところ」。失敗は成功につなげる努力をするため「無い」と言い切る。

「自信のおかげで、どんなことにも怖がらずに飛び込めるんですよ。それが結果的に良い方向に向いていることが非常に多いので、そこが僕の良いところ。自分のことを客観視した時に、おかしなほど自信がある。絶対に失敗しない、俺なら出来るという気持ちがすごくあるので、そこはあってよかったなって思います」

将来は「海外でも活躍したい」と夢を持つ。その上でファンに向けてこうコメントした。

「この映画が僕の初めての作品になります。撮影から2年たつので、僕も成長していると信じているんですけど…。これからもっともっと成長して、ビッグになっていきますので、1回僕のこと『気になったな』という方は、ぜひ、そこから目を離さないでいただきたいです。役者なので、ずっといろんな作品に出続けているわけではないんですけど、裏で僕はずっと動いているので、ぜひ、それを楽しみにしていてほしいなと思います」【佐藤勝亮】

◆藤原大祐(ふじわら・たいゆ) 2003年(平15)10月5日、東京都生まれ。19年に芸能活動を開始。ドラマは20年に日本テレビ系「おじさんはカワイイものがお好き。」TBS系「恋する母たち」などに出演。特技は歌。177センチ、血液型AB。