歌手叶純子が3年ぶりの新曲「ああ…大阪」を発売した。大阪の淀川近くのアパートで暮らす男と女の物語を情感たっぷりに歌い上げている。06年に64歳で亡くなった歌手、黒木憲さんとのデュエットで81年に歌手デビュー、翌82年のソロデビューから来年は40周年を迎える。新曲への思いと歩んできた道のり、そしてこれからを聞いてみた。

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「『ああ…大阪』は、キャンペーンで大阪に行くと、いつも歌わせてもらっていた大好きな曲なんです。チャンスがあれば、CDにしたいなと思っていました。コロナ禍もだいぶよくなってきたので、この曲のキャンペーンで大阪のファンの皆さんに会いに行きたいですね。来年はソロ40周年なので、この歌で勝負します」。

カップリングは「愛しき人生」、他に「酒場と云う名の船着き場」「朝日のあたる家」が収録されている。

「『酒場-』は恩師の作曲家鈴木淳先生の作品なんです。同門の兄弟子の沢木柳ちゃんが1985年(昭60)に発売していた曲で、ずっといい曲だなと思っていました。鈴木先生が新しい曲を作ってくれると言ってくれたんですが、これをシングルのA面にしたいと思っていました。それで、まず柳ちゃんに電話して『歌ってもいい?』って聞いたんです。そうしたら彼が『それだったら、俺も出したい』って言って、36年ぶりに再リリースが決定したんです。兄妹弟子で競作することはないと『あぁ…大阪』がA面になりました。9月に2人で鈴木先生宅を訪ねて報告して、激励していただきました。87歳になられましたが、すごくお元気でした」

叶に刺激を受けて「酒場-」をリリースした沢木は、26日に東京・浅草の木馬亭で松鶴家千とせプロデュースの「歌とお笑い」に出演。36年間歌い込んだ歌声を披露する。

「一応、兄弟子ですが、柳ちゃんと呼んでいるように、兄妹みたいなもの(笑い)。仲間だし、ライバルとしても負けたくないし、互いに頑張って行きたいですね」【小谷野俊哉】

(続く)

◆叶純子(かのう・じゅんこ)山口県萩市生まれ。山口県防府市で美容師見習い中、作曲家の鈴木淳氏にスカウトされて上京。81年に故黒木憲さんと、黒木憲&NANCYで「粋な夜」を発売してデビュー。翌82年胃「酔いどれ涙酒」でソロデビュー。1997年にフジテレビ系連続ドラマ「はるちゃん」の挿入歌「おまえさん」発売。19年にプロマージャン士・灘麻太郎とのデュエット「あゝわっかない」発売。153センチ、84-60-88センチ。特技は洋裁、資格は美容師。