NHK大河ドラマ「青天を衝け」(日曜午後8時)で徳川慶喜を演じる草なぎ剛(47)が、このほどオンライン取材会を行った。撮影を終えての心境、渋沢栄一役の主演吉沢亮(27)への思いを語った。

大河ドラマへのレギュラー出演は、自身にとって初めてとなった。草なぎは「たくさんいい思い出ができた。規模も時間も大作で、大掛かりで準備も必要。すごいドラマだった。それに出演できて、こういう仕事をやる人間としてはとてもうれしかったです」と話す。

クランクアップし、長く演じた役を離れ「終わってからじわじわ寂しくなりました。ホッとして次のステップに進めるのかと思ったら、慶喜のミステリアスな余韻があって、2、3日は寂しかった」。同時に手応えも感じ「1年間集中を切らさずお芝居できたことは自信になった。僕にとって久しぶりのドラマだったので、人生のターニングポイントになった」と振り返った。

楽しかったことについては「吉沢亮君という素晴らしい役者さんと長くお芝居ができたこと。渋沢栄一という大変な役を、最後まで妥協することなく命を懸けて演じていた。その近くにいられたことで元気になったし、活力をもらった。自分を次のステップに持っていってくれた」と感謝。一方で、つらかったことに乗馬のシーンを挙げ「夜中の2時に起きて現場に4時に入って、使われたのが12秒。吹き替えでもいいんじゃないのかなと思った」と笑わせた。

過去の取材会で、吉沢は草なぎについて「大スター。栄一の慶喜に対する尊敬と、吉沢亮が草なぎさんに感じる尊敬はリンクしている」とコメント。草なぎは「いろんなところでほめていただいて、ありがたい限り」と照れ笑いしながら、「まっすぐな亮君のまなざしを素晴らしいと思いながら、余計なことを考えず、栄一のおかげでピュアな芝居ができた」と感謝した。主演として膨大なせりふに向き合い続ける姿や、本番での瞬発力に刺激を受け「お芝居ってもっともっと可能性があるんだな、俺どこか諦めてたな、と。亮君を見て、『もう一度頑張るよ、亮君!』と(笑い)。亮君のおかげで、もうちょっと頑張ろうかなって」と語った。

撮影期間中に吉沢と私的な会話はほとんどなかったが、演技の中で心を通わせた実感があったという。特に、慶喜と栄一が晩年に再会するシーンでは「自分の中で静かに込み上げてくるものがありました。役を通り越して、栄一を通り越して、亮君を見ているというか。『1年間、俺は慶喜、亮君は栄一を楽しんできたね』と。同志として、最後は役を超えたもので亮君と一緒に仕事ができたと思います」。撮影を終え、大役を務め上げた吉沢に対しては「絶対に自分の財産になると思う。亮君をすごくほめてあげたいです」と笑顔を見せた。