乃木坂46が11月20、21日、東京ドームで「真夏の全国ツアー2021」ファイナル公演を開催した。高山一実(27)の卒業ステージなどさまざまな演出があったが、中でも目を引いたシーンの1つが本編終盤の「きっかけ」だった。出演したメンバー全38人が、1~2フレーズずつをソロで歌い、つないでいった。

エース齋藤飛鳥(23)から始まり、1人1人が、1期生から4期生まで、歌が得意なメンバーもそうでないメンバーも、それぞれの歌声で表現した。ラストのサビは、紙吹雪が舞う中、全員で歌いあげた。歌い分けの順番は以下の通りだった。

1番Aメロ 齋藤飛鳥、賀喜遥香、筒井あやめ、鈴木絢音、田村真佑、伊藤理々杏、佐藤璃果

1番Bメロ 樋口日奈、与田祐希、新内眞衣、清宮レイ、林瑠奈

1番サビ 高山一実、梅澤美波、和田まあや、山下美月

2番Aメロ 岩本蓮加、松尾美佑、北川悠理、佐藤楓、山崎怜奈、黒見明香、向井葉月、弓木奈於

2番Bメロ 中村麗乃、矢久保美緒、金川紗耶、阪口珠美、掛橋沙耶香、早川聖来、吉田綾乃クリスティー、柴田柚菜

2番サビ 遠藤さくら、星野みなみ、北野日奈子、秋元真夏

3番Bメロ 久保史緒里、生田絵梨花

3番サビ 全員

サビ前やサビ頭、3番サビ前の長いパートなどは、比較的歌唱力が高いメンバーが任されていた印象だ。特に3番サビ前の久保史緒里(20)生田絵梨花(24)と続いたところでは、締め切り間際で必死にパソコンで原稿を打っていた他媒体の記者も、歌声を聴いて「誰だ!?」と驚いたような表情でつい顔を上げていた。

38人、1人1人の歌声がしっかり聴けたという意味では、ファンにとってもうれしいところかもしれない。決して歌がうまいメンバーばかりではないが、間違いなくそれぞれに「味」があった。

歌唱前にはキャプテン秋元真夏(28)の号令で円陣を組み、「努力、感謝、笑顔、うちらは乃木坂上り坂、フォーティーシックス!」と恒例の掛け声をあげた。今年8月に結成10年周年を迎えた乃木坂46は、長年グループを支えたメンバーの卒業が続くなど過渡期を迎えているが、デビュー10周年となる来年には初の横浜・日産スタジアム公演も決まった。

メンバーもファンも、一致団結してさらに坂を駆け上がる「きっかけ」になったような、歌唱演出だった。【横山慧】