新作落語のカリスマと呼ばれた落語家三遊亭圓丈さん(享年76)の訃報を受け、数多くの創作落語で知られる桂文枝(78)がコメントを発表した。以下、コメント。

これ面白いからと某放送局のディレクターから1本のカセットテープをいただきました。その落語「グリコ少年」こそ東西に円丈旋風を巻き起こし、やがては私の芸術祭大賞の「ゴルフ夜明け前」につながったのですから僕にとっては大恩人と言えます。「グリコ少年」を初めて聞いた時、それまでの新作落語にはないまったく新しいタイプの落語で、落語はこんなことも出来るんやとテレビの司会と古典落語のはざまで悩んでいた私に大きな刺激と風穴をあけてくださいました。

第1回「創作落語の会」のゲストにお招き致しました。師匠とはその後、何度も共演し、新しい落語についても話し合いました。いつも恥ずかしそうにボソボソっとお話しながら、何を聞いても常に的を射た回答をいただきました。

お身体をお悪くしているとは聞いていましたが、こんなに急に旅立たれるとは。同じ新作派としては誠に寂しいことですし、円丈師匠の功績は計り知れないほど大きなものがあると思います。本当にありがとうございました。