神田沙也加さんの取材で印象的だったのは、今年2月、舞台「ローズのジレンマ」の公開通し稽古での言葉だ。第2のママと呼んで慕う大地真央のことを「生けるハッピーオーラ。女性としても役者としてもこれからも追いかけていくし、教わりたい」と話していた。神田さん自身がハッピーオーラを体現していて、生来の華やかさと明るさがあると思っていたので、「教わりたい」にへえ、と思ったのだ。

この言葉を聞いて、ミュージカルなどで活躍する前だったころの神田さんを思い出した。どこかへ撮影に向かうと思われる神田さんを空港の待合室で見かけた。もの静かにスタッフと話し、話が終わった後はひっそりと座っていた。当時は、目立たぬように存在感をあえて消しているかのように見えた。

しかし、「ハッピーオーラ」を持つ大地を慕い、憧れ、教わりたいと言った言葉から、神田さんはたゆまぬ努力で自信を付け、オーラを獲得していった人だったのではと思った。

「ローズの－」での大地との共演は13年ぶりだった。神田さんは共演をことのほか喜び「10年ごとに『どれだけ成長したの？』と言われているような気持ち。頑張ります」と前向きに語っていた。また10年後、さらに輝きを増し共演する姿を見たかった。【小林千穂】

 

 

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