歌手藤井香愛(33)が13日、東京・池袋東武百貨店のCDショップ五番街で開催されている新曲「一夜桃色(ひとよももいろ)」の発売記念パネル展を訪れた。展示されているパネルに1つ1つサインをして、「昨年はコロナ禍で全国を回れなかったので、ぜひ全国くまなく新曲を届けたいです」と誓った。

藤井にとって第4弾となる「一夜桃色」(作詞・及川眠子、作曲・幸耕平、編曲・坂本昌之)は、新しい恋の一夜に、身も心も委ねる女性の心情を歌う。「残酷な天使のテーゼ」(高橋洋子)「淋しい熱帯魚」(Wink)「東京」(やしきたかじん)などで知られる及川眠子氏の艶やかな歌詞を、ヒットメーカーの幸耕平氏が抑えたメロディーでキャチーに表現した。

デビュー曲の「東京ルージュ」では禁断の恋を、前作「その気もないくせに」では男に振り回される女を歌った。新曲はそれらとはまた違った作品で、藤井は「私の、等身大の作品をいただけたと思います」。

12日に発売され、オリコンの演歌・歌謡デイリーシングルランキングで1位を獲得した。1位は初めてで「うれしいです。1月発売というのもあって、今年のいいスタートが切れた感じです」と喜んだ。

年明けには自宅近くの神社に初詣に行った。おみくじは「末吉」で「焦らず前を向いて進んで」とあった。「デビュー4年目で(年数からは)若手ですが、他の歌手と比べると年上なので焦っていました。それをいさめてくれるようなおみくじでした」。

5月22日に、東京・中野区内のなかのZERO小ホールでのコンサートが決定している。同区生まれの藤井には絶対に果たしたい夢がある。それは同区のランドマークである中野サンプラザ大ホールでコンサートを行うことだ。中野サンプラザは、老朽化と北口の再開発で24年をめどに解体が決まっている。藤井はかつて「なかのZEROホールは、サンプラザに向けたステップアップになる会場です。頑張りたいです」と話した。1つ1つ、焦らず前を向いて進めば、藤井の先には数々の夢の実現が待っているだろう。【笹森文彦】