NHK前田晃伸会長の定例会見が3日、東京・渋谷の同局で行われた。

同局は先月24日、昨年12月に放送したBS1スペシャル「河瀬直美が見つめた東京五輪」において、ある男性が五輪反対デモに金をもらい動員されたと裏付けのないまま字幕を付けて放送した問題について「調査チーム」を設置したと発表。前田会長は進展について「原因解明を進めている。できるだけ早く調査結果をまとめ、冷静に対処するとともに、再発防止をさらに徹底していきたい」と述べた。

先月19日の放送総局長会見で同局担当者は、放送前に担当ディレクターが字幕の内容を番組出演者で五輪公式映画チームの島田角栄さんに確認したと説明していたが、その後、島田さんはNHKからの事実確認はなかったと抗議。これを受け、同局は24日に謝罪文を発表し「字幕の内容について、島田さんに確認をしたという事実はありません」「会見での説明は、あたかも、島田さんから確認を得ていたかのような誤解を与えるもので訂正いたします」と改めて報告していた。

「局としての対応が二転三転した印象を受ける」との質問に前田会長は「担当者の説明に不十分な点があって誤解を与えたことについては、関係者の方におわびしたい」とした上で、「説明が二転三転したことはございません。事実は1つしかない。その事実について何かをしようとか、そういうことは全くございません。しっかりと原因を調べてご報告させていただきたい」とした。