映画へのキャスティングを持ち掛け、4人の女優に性的関係を強要したとの報道の一部を認め、謝罪した榊英雄監督(51)の映画で、25日予定の公開をいったん中止した「蜜月」の製作委員会は16日、公式サイトに「一連の報道を受けまして」と題した文書を発表した。その中で、同監督が代表を務めるファミリーツリーから「製作委員会から退会したい」との申し出があり「当委員会ではこれを了承することに致しました」と明らかにした。

製作委員会は「監督を務めております榊英雄氏が、過去に複数の女性を対象に、性的な暴力と同義の行為を行ったとする内容の報道がございました。製作委員会は、あらゆる性的な差別や搾取、ましてや暴力を許容することはありません」と、報道された同監督の行為は許せないものだと強調した。その上で「当製作委員会では、一連の報道内容を受けまして、関係各所との協議の結果、既報の通り、映画『蜜月』の公開を一旦中止といたしました」と経緯を説明した。

その上で「当映画に関わっていただいております、キャストやスタッフをはじめとする制作関係の皆様、様々な形で関わっていただいております関係各社の皆様、そして映画の公開をご期待いただいております皆様には多大なご心配、ご迷惑をお掛け致しますこと、深くお詫び申し上げます」と謝罪した。

榊監督の監督作では、4月15日公開の「ハザードランプ」の製作委員会が前日15日、当初の予定通りするべく各所と協議を進めていると発表。一方で、複数の関係者によると、3月下旬に都内で開催予定だった完成披露イベントは、開催しない方向であることが同日、分かっている。

榊監督は文春オンラインで一連の問題が報じられた9日夜、所属事務所を通じてコメントを発表。「記事上で、事実の是非にかかわらず渦中の人とされてしまった相手の方々にも、大変申し訳なく思っております」と謝罪した。

その上で「記事の内容につきましては、事実であることと、事実ではない事が含まれて書かれておりますが、過去のことをなかった事には出来ません」と報道の一部を事実と認め「それをしっかり肝に銘じ、これからの先へ猛省し悔い改めることを誓い、人を、日々を大事に生きていきたいと思っております」とした。

榊監督は「蜜月」「ハザードランプ」ともに映画音楽を担当した妻のシンガー・ソングライター和(53)ら家族にも「かけがえのない大切な家族を傷つけ悲しませてしまったことを、本当に申し訳なく思っております」と謝罪した。その上で「関係者の皆さま深くおわびするとともに、今後の対応に関しましては専門家と話し合いの上、進めていきたいと思っております」とした。