映画へのキャスティングを持ち掛け、複数の女優に性的関係を強要したとの報道の一部を認め、謝罪した榊英雄監督(51)が代表取締役を務める会社「ファミリーツリー」公式サイトから、17日までに妻でシンガー・ソングライターの和(53)の写真、プロフィルが削除された。

和が11日夜、自身の公式サイトで発表した文書の中で「皆様にはご心配をおかけしております。私事ではございますが、ご報告させていただきたいことがございます。わたくしは、ただいま夫である榊英雄と離婚に向けて、別居、協議を進めております」と別居し離婚協議を進めていると明らかにしており、そのことを受けて、榊監督が対応、措置したとみられる。

榊監督は、一連の性行為強要報道が文春オンラインによってなされた3月9日、ファミリーツリーの公式サイトにコメントを発表。「記事上で、事実の是非にかかわらず渦中の人とされてしまった相手の方々にも、大変申し訳なく思っております」と謝罪。その上で「記事の内容につきましては、事実であることと、事実ではない事が含まれて書かれておりますが、過去のことをなかった事には出来ません」と報道の一部を事実と認め「それをしっかり肝に銘じ、これからの先へ猛省し悔い改めることを誓い、人を、日々を大事に生きていきたいと思っております」とした。

ただ同じ3月9日夜に、同25日公開予定の映画「蜜月」の製作委員会が公開をいったん、中止して今後については、全て未定と発表。同16日には、ファミリーツリーから「製作委員会から退会したい」との申し出があり、製作委員会から退会したことを発表していた。

さらに3月26日には、榊監督が俳優活動におけるマネジメントの業務提携をしていた芸能事務所が、同監督とのマネジメント契約を解消したと発表。一方で、同事務所に所属する和は、そのまま所属していた。その中、同31日には4月15日に公開予定だった映画「ハザードランプ」の公開が中止となったことも発表された。

榊監督は、3月9日に発表した謝罪文の中で「蜜月」「ハザードランプ」ともに映画音楽を担当するなど、公私ともにパートナーである和ら家族にも「かけがえのない大切な家族を傷つけ悲しませてしまったことを、本当に申し訳なく思っております」と謝罪した。その上で「関係者の皆さま深くおわびするとともに、今後の対応に関しましては専門家と話し合いの上、進めていきたいと思っております」としていた。

ただ、和は11日夜に発表した文書の中で「わたしだけではなく、娘たちの気持ちを尊重してあげたいという思いが強くありましたので、今後のことを話し合って決めていくのに時間がかかりました。しかしながら、わたしの思いとしては、一貫して、家族がありながらの夫の行為に対して許せないものがありました。一度も榊を許したことはありません」と、娘2人の心情をおもんぱかりつつも、榊監督を痛烈に批判。同監督が許しを得ているなどとコメントした一部報道を踏まえ「それを『妻から許してもらっている』とコメントするようなことに象徴される、耐え難い行き違いがありました。わたしも被害者なのです」と、自らも、そして2人の娘も、榊監督に裏切られた被害者であると訴えた。

和は、3月17日に都内や配信で行われたライブにゲスト出演した際「傷つけてしまった女性のみなさんに、謝らせてください。本当にすいませんでした」と夫の件を謝罪。その上で「夫婦関係というのをけじめはつけようかな、と思ってはいる」と離婚の意思を示唆していた。

それから1カ月近くが経過した11日夜発表の文書の最後で、和は「妻として、母親として、今家族を世の中にさらさなければならないような状況を作った夫を容認して生きていくつもりはありません。今わたしがすべき事は、娘たちを全力で守る事と、わたし自身の心を守る事です。取材に来てくださる記者の皆様、どうかこのことに関しては、榊自身の問題であると思いますので、今後、家族に向けての取材、ご近所の方への突然の訪問取材などはご遠慮くださいますよう、心からお願い申し上げます」と取材の自粛を求めた。

和が文書を発表後、数日はファミリーツリーの公式サイトに写真、プロフィルは掲載されていた。