演歌歌手松前ひろ子(72)が16日、都内で、新曲「望郷酒がたり/留萌 人情 みなと町」の発売記念イベントを行った。

歌手人生53年で出会った2曲とも、故郷の北海道を舞台にした楽曲。発売初週のオリコン週間ランキングの演歌・歌謡曲部門で3位に入るなど好スタートを切っている。

松前は演歌歌手三山ひろし(41)の師匠であり、義母でもある。母子家庭で育った三山は、高卒後に地元・高知のガソリンスタンドに就職したが、歌手の夢を追い掛けて25歳で上京。たまたま働いたのが松前の営む飲食店だった。店の仕事は夕方からで「仕事のない昼間にコンビニでアルバイトしたい。実家に仕送りをしたいから」。それを聞いた松前が「だったら、うちの芸能事務所で働いたらどう? 給料は両方から出すから」と逆提案をして、三山と芸能界がつながった。

それから3年間、松前の付き人などをへて三山は念願の歌手デビュー。今では7年連続で紅白歌合戦に出場する実力派として活躍し、今月20日からは大阪・新歌舞伎座で座長公演を行う。

デビュー前は「松前さんが連れ歩いた恒石正彰君(三山の本名)」。それが今は「三山さんの師匠が松前さん」。立場は逆転したが、弟子の活躍に100%のエールを送っている。「三山君を日本一の演歌歌手にしたい。それまで見守りたいです」。師匠の顔になって力強く宣言した。