歌舞伎俳優尾上右近(30)が28日、都内で、6回目を迎える自主公演「研の會」(8月22~23日、東京・国立劇場小劇場)の取材会を行った。

3年ぶりの開催で、演目は「色彩間苅豆(いろもようちょっとかりまめ) かさね」「源平布引滝 実盛物語」。

「実盛物語」は、平氏に仕えながらも源氏に心を寄せる武士が主人公。右近は「ジェントルマンで、心があって、器があって、理想の男。自主公演で初役でできればと思っていました」と話す。

歌舞伎の師匠である尾上菊五郎に指導をあおぐ。右近は「実盛はもともと源氏に仕えていながら、今は平家方にいる。本当のことは口にできない思いを秘めた男性。恩と義理と人情を貫いている。そのキャラクターは菊五郎のおじさまにも感じています。言葉にはしないけど、ちゃんと伝えてくれる。粋でかっこいいのは実盛に重なります」と話した。

「かさね」は文楽人形と“共演”し、右近と文楽人形それぞれが、与右衛門とかさねを回替わりで演じる。2日間で4公演。

3年ぶりの「研の會」開催に右近は「3年でつちかったものと、たまったうっぷんを発散できる場になれば」と話した。