間宮祥太朗(29)が28日、主演映画「破戒」(7月8日公開)を引っ提げ、都内の日本外国特派員協会で自身、初の会見に臨んだ。前田和男監督から「美しいから1本推し」とキャスティング理由を明かされると、胸に手を当て、押さえると、目を見開いて驚き、笑みを浮かべた。

「破戒」は、1907年(明40)に出版された島崎藤村の初の長編小説で、間宮は被差別部落出身を隠して地元を離れ、ある小学校の教員として奉職する瀬川丑松を演じた。質疑応答で、司会から前田監督に「(主演の)キャスティングは何人、検討したか? 間宮さんしか、あり得ないと思った」と質問が飛んだ。同監督は「間宮さん、1本推しできました。まず、美しさ…ここだけの話で納得いただけると思う」と、間宮の美しさで一択だったと断言。その上で「もう1つは美しさを輪郭、かたどっている寂しさですね。キャラクターに深みを与えると期待して、間宮さんにお任せです」と説明した。

間宮にも「監督に初めて話を持ってこられた時に『美しいから、ぜひ』と言われたのか?」と質問が飛んだ。すると、笑みをたたえ「僕も監督のことは美しいと思っています」と、まず口にした。その上で「美しい、というのは後から聞きました」と言い、笑った。

間宮は、映画を海外の観客に、どう見て欲しいかと聞かれると「(会見に)来てくださった方にも育った環境、これが良い悪いというのがあって生きてきたと思う。世界は1つの場所としてはあるけれど、僕は僕が見る世界が全て…それぞれの視点があり、人数分の世界があると完成した映画を見て感じた」と語った。その上で「日本のお客さんも海外のお客さんも、生きてきた人生、これからの人生について、考えてもらえたらうれしい」と語った。

「破戒」は、1948年(昭23)に木下恵介監督が池部良さん、1962年(昭37)には市川崑監督が市川雷蔵さん主演で、それぞれ映画化しており、今回は60年ぶりの映画化となる。間宮は、これまで映画で演じたのとは違う、大きな役どころでは? と聞かれると「俳優になった理由が、映画が好きで業界に関わりたいからだった。20代最後の年に関われることが、うれしい」と答えた。そして、被差別部落出身の丑松を演じたことを踏まえ「授業でしか習ったことがないこと。自分たちや若い世代に広く見てもらえると、うれしい」と、若い世代に映画を見て欲しいと訴えた。