タレント小堺一機(66)が、24日に初日を迎える、俳優でお笑いコンビあさりどの川本成(48)が主宰する劇団「時速246億」の舞台「バック・トゥ・ザ・ホーム・ファイナル」(東京・新宿「シアターサンモール」)に出演する。2016年(平28)に初演で、再演、続編、そして配信で上演された人気シリーズのファイナル。師匠・萩本欽一(81)の欽ちゃんファミリーの弟弟子の川本のラブコールに応えた。このほど、小堺と川本が日刊スポーツの取材に応じた。【小谷野俊哉】

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小堺は1977年(昭52)年にTBS系バラエティー「銀座NOW!」の「素人コメディアン道場」で第17代のチャンピオンになった。専大3年の時だった。

小堺「誰でも若い頃は、1回はあるじゃないですか。僕が大学生の頃ってテレ朝系『プロポーズ大作戦』の“フィーリングカップル5vs5”とか、大学生の出るテレビがすごく多かったんです。(初代チャンピオンの)関根(勤)さんが『銀座NOW!』に出ているのは見ていて、面白いなと思ってはいたんです。その前にNHKの合唱団に入っていて『歌はともだち』っていう番組に出ていたことがあったんです。その時に一緒に出ていた女の子と、暇だからよく会ってしゃべっていたんです。それで今と同じような、ものまねとかしてたんです。そうしたら『銀座NOW!』に出ればいいって、勝手に応募されちゃったんです。もう大学3年で就職を考えなくちゃいけない頃だったんですけど、通知が家に来て大騒ぎになったんです。『なんだ、お前、これは』って親に怒られてね。『俺は、出してないよ』って答えたんだけど、面白そうだから行ったんですよ。そうしたらズルズルべったりでチャンピオンになって、芸能界に入ることになったんです」

芸能界入りして、79年に専大を卒業。俳優勝新太郎が主宰していた「勝アカデミー」に1期生として入校した。

「最初の頃は、勝さんが教えてくれました。映画の『影武者』を降りちゃって、大変な頃でしたけど、よく来てくれましたよ。だって、森繁(久弥)さんも来てくれたし、津川雅彦さん、川谷拓三さん、それからそうそうたる勝さんシンパの人が来てくれた。監督だったら増村保造さん、久松静児さんとか」

勝アカデミーで学びながら、自分の進むべき道を探していた。

「そんな高尚な目標は立ててなくてね。実家(住まい)だったんで、なんかやってるってのいうのを見せないと、と思って。ただバイトして、来たイベントの司会とかやっていたんで。『銀座NOW!』も終わっちゃって、曜日担当のディレクター扱いだったから事務所も決まってなかったんです。それで、本気でやりたいんですっていうアピールのひとつとして、学校に行こうって思ったんです」

道を模索しているうちに、現在も所属する浅井企画と縁が出来た。

「その頃に浅井企画にいたマネジャーさんと知り合ったんです。所属のタレントの方が日テレの『NTV紅白歌のベストテン』の前説をやってたんですけど、ちょっと売れてきて卒業することになった。それで、誰がいいかなとなった時に、僕がいた。浅井企画の所属じゃないけどやってみるかって言われて、司会の堺(正章)さんのことを尊敬してたのでお願いしますって。それが1年あったんです。勝アカデミーと並行してね。浅井としては様子見で1年を超えて、こういつどうなんだろうと。勝プロからも、どうするって言われたんですけど、浅井企画に約束はしてないんですけど先にお世話になってるんで、僕1人で決められませんと。それで卒業近くなったら、どうするつもりなんだって浅井企画の人に言われて、やってみたいと。じゃあ、うちに来いってなって、入ったんです」。(続く)

 

◆小堺一機(こさかい・かずき)1956年(昭31)1月3日、千葉県生まれ。77年、TBS系「ぎんざNOW!」の素人コメディアン道場で優勝。専大卒業後、勝アカデミーを経て、80年浅井企画。82年テレビ朝日系「欽ちゃんのどこまでやるの!?」での関根勤とのコンビ「クロ子とグレ子」でブレーク。84年10月からフジテレビ系のトークバラエティー「ライオンのいただきます」の司会に抜てきされ、16年(平28)3月の「ライオンのごきげんよう」終了まで31年半務めた。現在、BSJapanext「アプリで生判定!地域創生プレゼンバトル」、J:COMチャンネル「ジモトに乾杯!居酒屋小堺クン」、JFN「おうちで~CINEMA~」など。バラエティー、ドラマ、舞台、ラジオなど幅広く活躍。165センチ。血液型A。

◆川本成(かわもと・なる)1974年(昭49)7月13日、鳥取県生まれ。91年(平3)4月、萩本欽一主宰「欽ちゃん劇団1期生」合格。94年に堀口文宏と「あさりど」結成。94年から3年間、9代目いいとも青年隊としてフジテレビ系「笑っていいとも」出演。07年から劇団「時速246」を主宰、10年に「時速246億」に改名。16年舞台「バック・トゥ・ザ・ホーム」主演。18年舞台「バック・トゥ・ザ・ホーム2018」「バック・トゥ・ザ・ホーム2」。20年配信で舞台「バック・トゥ・ザ・ホーム・ハーフ」。趣味は楽器いじり、古着収集、プロレス。168センチ、血液型O。