英国のヘンリー王子(38)が17日、エリザベス女王のひつぎが公開安置されているロンドンのウエストミンスター・ホールで行われた通夜の儀式で2年半ぶりに軍服を着用した。

エリザベス女王の孫8人がひつぎを囲んで警護する儀式では、午後6時少し前にウィリアム皇太子を先頭に会場に入場。皇太子の後ろをヘンリー王子が歩き、アンドルー王子の長女ベアトリス王女と次女ユージェニー王女、エドワード王子の長女レディ・ルイーズ・ウィンザーと長男セバーン子爵ジェームズ、アン王女の長女ザラ・ティンダルと長男ピーター・フィリップスの順で続いた。

一般の弔問客が見守る中、皇太子がひつぎの上部、ヘンリー王子が足元を守り、両脇を他の6人の孫たちが囲んだ。8人はその位置に静止したままうつむいて15分間の祈りをささげた。前日にはチャールズ国王を含む4人の子供たちによる警護が行われているが、亡くなった君主の孫がこの役割を担うのは今回が初めてだという。

床を叩いて交代を知らせる音が鳴り響くと、先頭の皇太子から順番にひつぎの前から離れ、最後尾にヘンリー王子が続き、静かに会場を後にした。

2020年に公務から退いているヘンリー王子は、これまでの一連の行事はすべてモーニングスーツ姿で出席していたが、今回はチャールズ国王の要請で皇太子と一緒に軍服を着ることが特別に認められていた。ヘンリー王子が軍服を着用したのは、王室を離れてから初めてとなった。19日に行われる国葬では、軍服の着用は認められないものとみられている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)