直木賞作家今村翔吾氏(38)が24日、山形県新庄市で「まつり旅」のゴールを迎えた。直木賞受賞のお礼を兼ね、ワゴン車に乗り一度も家に帰らずに、日本全国47都道府県の学校や書店などをノーギャラで巡るイベント。

今年5月30日に、かつて発掘員として勤務していた滋賀県守山市立埋蔵文化財センターを出発して、118泊119日、訪問先271カ所、総走行距離1万2000キロを完走した。

新庄市は、今村氏が17年3月に小説家デビューした「火喰鳥 羽州ぼろ鳶組」の舞台となっている、その縁で21年2月から観光大使を務めている“約束の地”だ。

この日は、新庄市立萩野学園で「夢をあきらめない」を題材とした講演会を行った。その後、午後2時に会場となった最上中央公園内「すぽーてぃあ」に現れた今村氏は集まったファン300人の拍手と歓声に迎えられ、笑顔でテープを切った。

「ただ今、新庄に帰って参りました。ゴールしたらしゃべることを考えていたんですが全部、ぶっ飛んでしまいました。多くの人に支えられてここまで…。日本で一番、幸せな作家です。いろんな人に勇気を与えたい! 今日はひと区切りで、まつり旅は一生続けます!」と感激の涙を流した。

会場では今村自身が作詞、幼馴染の作曲家山田竜平氏(34)が作曲した「まつり旅」のテーマ曲「festival journey」が披露された。ボーカル担当のマホフォレシタン、ギタリストのDaisuke Ueta、バイオリニスト益子侑(36)らがステージに登場してイベントを盛り上げた。

全国行脚をともにし、旅先で出会ったファンからのメッセージが車体に書かれている愛車「たび丸号」は新庄市に贈呈された。