英国のヘンリー王子(38)が、エリザベス女王の死去を受けて近々発売予定の自身の回顧録の内容を修正し、王室批判をトーンダウンさせたい意向だと英テレグラフ紙が報じた。ヘンリー王子は、女王が亡くなり、父が国王となった今、国内外で君主制への支持が急上昇する中でこのまま回顧録を出版して批判されることを恐れていると同紙は伝えている。王子は女王の葬儀で、軍服の着用を禁じられ、世界各国の要人が招待された前夜の晩餐会にも招待されず、女王の訃報の知らせを巡っても公表の直前に家族の中で最後に知らせを受けたことなどが報じられており、兄ウィリアム皇太子との差を歴然と突き付けられていた。

ヘンリー王子は、3680万ポンドの契約金で3冊の回顧録を出版する契約を結んだことが伝えられており、その第1弾が今秋に出版されることが決まっている。出版元のペンギン・ランダムハウスは、クリスマス商戦が始まる直前の11月下旬に発売することを希望しているというが、チャールズ国王の治世が始まったばかりのタイミングでの出版は間が悪く、快く思われない可能性も指摘されている。そのため、原稿の内容を改良すべく一部書き直しを申し出て、出版元から承認されたと同紙は伝えているが、業界内ではすでに時遅しとの声も上がっている。

サン・オン・サンデー紙は、最初のドラフト原稿は感情的すぎ、メンタルヘルスの問題に焦点を当てすぎだと出版社が内容にがっかりしたことを伝えており、メール・オン・サンデー紙も原稿の内容を修正するよう求められていたと関係者の話を伝えている。一方、回顧録の内容をトーンダウンさせる代わりに、ウィリアム皇太子とチャールズ国王との間に緊張がある中で女王が死去した後に何が起きたのか、葬儀の裏側を原稿に加えるよう出版社が求める可能性もあると伝えている。

回顧録の出版が、王子と王室の今後の関係をさらに悪化させることが懸念される中、長男アーチー君(3)と長女リリベットちゃん(1)の2人の子供たちに夫妻が望む称号が与えられるかどうかは、この本やうわさされる暴露インタビュー第2弾の内容次第だとも言われている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)