発売同時に全公演完売したミュージカル「エリザベート」が9日、東京・帝国劇場で初日を迎える。

96年の宝塚歌劇団による日本初演、東宝版は00年に初演され、常に人気を博してきた。20年の公演は新型コロナウイルスの影響で中止になったこともあり、待望の公演となる。帝国劇場のほか、名古屋・御園座、大阪・梅田芸術劇場メインホール、福岡・博多座で上演される。

開幕を前に、エリザベートをダブルキャストで演じる花總まり、愛希れいか、トートをダブルキャストで演じる山崎育三郎、古川雄大がコメントを発表した。

▼花總まり 初日を迎えるにあたり、いつもながらですが、もっと時間が欲しいと思ってしまいます。もうすぐ幕が開きます、心を込めて今できることを精いっぱいやりつくそうと思っております。花總まりが演じる“エリザベート”がどんなエリザベートであったかは、ご覧になったお客様が決めることだと思いますので、わたしはただ一生懸命に演じるだけです。来年1月31日までのすべての公演を、心を込め、1回1回を誠実に、大切にしていきたいと思っております。

▼愛希れいか 劇場に入り、いよいよはじまるんだなと実感してきて、今は緊張感でいっぱいです。とにかく最後まで諦めず闘い、もがいて…エリザベートの人生を生き抜きたいと思います。私としては、もう1度挑戦できる喜びや緊張、さまざまな思いがありましたが、20年の公演を楽しみに待っていてくださっていたお客様の事を考えるととても胸が痛かったので、今回はより一層気合が入りました。私が今できる全てを懸けて挑んで参ります。

▼山崎育三郎 20年4月の公演中止から2年半が経ち、幕が上がるこの日をずっと待ち望んでいました。今は、エリザベートカンパニーで帝国劇場の舞台に立てる喜びをかみしめています。これまでルキーニとして出演してきて今回初めてトートを演じますが、稽古を重ねる中で、同じ作品でも角度が変わるだけで、こんなにも作品への捉え方、感じ方が変わるものだと驚きの連続でした。どんな困難や逆境にも耐え必死で自分の人生を生き抜くエリザベート。今、この時代にこの作品が届けられることに大きな意味を感じながら、1つ1つ大切に挑みます。帝国劇場が25年をめどに一時休館するということも発表されましたが、今、この奇跡の瞬間を全力で楽しみたいと思います。

▼古川雄大 すごく緊張感が高まっています。トート役は2度目となりますが、時間を重ね経験を積んでもなお、この作品、この役の重さを感じています。前回のトートから自然と進化したところ、自分の成長が生きるところや、自分がこの3年間であたためてきたアイデアを取り入れたりしたところが多数あり、「変わったな」と感じていただける部分が多いと思います。自分なりの新しいトート像をつくり上げ仕上げたつもりなので、その変化をご覧いただけたらうれしいです。